Q. いろんな先生に志望理由書を見てもらってブレてしまう生徒がいます。添削する際に教師側で守った方がいいルールはありますか?また、その後のレポートはどのように指導していったらいいですか?
複数の先生に見てもらうこと自体は、全く問題ない
確実に複数の先生に見てもらうこと自体は全く問題ないと思います。むしろいいことだと思います。
志望理由書自体がぶれてしまうことは、よくある事なんです。
正直、生徒の志望理由書がぶれてしまうこと自体は、現場の先生方が考えることではなく、本来は学校全体で運用ルールとして決めなければいけないことだと思います。
重要なのは、誰が最終的な責任を持つのかというところです。
この生徒の最後の志望理由書出願責任者というのを確実に学校で決められて、運用された方がいいと思います。
誰が最終的にこの生徒の志望理由書に責任を持つのか、というところを明確にしておく必要があります。
ここを学校として決めておく。これがまず大事です。
第一段落は、その生徒に一番近い先生が責任を持つ
まず第一段落までは、どんなに知識がなくても、確実にその生徒に一番近い先生が一緒に見切るべきだと思います。
何の社会課題を掲げてその大学に入りたいのかというのを決める、考える時に関しては、どんなに推薦入試見たことない先生だろうが、どんなに知識がない先生だろうが、しっかりとその生徒に責任を取りきるべきだと思います。
ここは専門知識の問題ではなくて、その生徒が「何の社会課題を掲げて、その大学に入りたいのか」というところを一緒に考える部分なので、まずはその生徒に一番近い先生が責任を持つ。
これが大事だと思います。
他の先生が第一段落を変えてしまうことは避ける
第二段落以降、いろいろな先生に見てもらう中で、第一段落まで変わってしまうというのが一番避けたいことです。
他の先生に見てもらう際には、
「こういう意図で、この生徒は第一段落をこうしているので、そこにはあまり触れないでほしい」
ということを、見る側と見てもらう側の共通ルールとして運用するべきです。
第一段落は、志望理由書全体のロジックの軸になる部分です。
第一段落が変わることで、第四段落や第五段落、第六段落で書く、大学でどの教授からどういう勉強をしたいのかという内容まで、すべて変わってしまいます。
だからこそ、第一段落については、複数の先生がそれぞれの考えで修正するのではなく、最初に決めた軸を維持することが重要です。
第二段落以降は、専門の先生に見てもらっていい
一方で、第二段落以降は触れていただいて構いません。
「もっとこういうことをやっていたじゃないか」
というように、その生徒がこれまで取り組んできたことについて、別の先生だからこそ気づける内容もあると思います。
そうした部分については、ぜひ考えていただきたいです。
専門教科の先生に見てもらうことも、もちろん良いと思います。むしろ、そこはそれぞれの先生の専門性を活用していただければいいと思います。
つまり、第一段落は生徒の志望理由書全体のロジックの軸として維持し、その上で第二段落以降は複数の先生に見てもらう。
このようなルールを学校内で共有し、運用していただければと思います。
レポートにはいくつかの種類がある
レポートには、自己推薦などでよくあるように、いくつかの種類があります。
自分が今までやってきたことを書いて自己PRするレポートなのか、あるいは何か本を読んで、その本についての感想を書くレポートなのか。
まず、そのレポートをなぜ大学が志望理由書に加えて提出を求めているのかということを、きちんと認識させることが重要です。
レポートで大学が何を見ようとしているのか
上智大学の例で説明します。経済学部はレポートが「自分が今までやってきたこと」というレポートと、志望理由書の二つです。
一方、総合人間科学部の教育学科では、同じように志望理由書とレポートを提出するのですが、レポートは確か『戦後の学校史』という本を読んで、どう思ったかを書くレポートなんですよね。
つまり、同じ「志望理由書とレポート」という組み合わせでも、レポート側で求めているものが違います。
そうなると、志望理由書に書かなければいけない内容も変わってくるんです。
レポート内容によって、志望理由書の役割も変わる
例えば経済学部の方は、レポートで自分のやってきたことを書けるので、志望理由書に自分がやってきたことを書かなくてもいいんですよ。
でも総合人間科学部教育学科の場合は、レポートに自分がやってきたことを書けないので、志望理由書にも自分のやってきたことを入れなければいけない。
つまり何が言いたいかというと、志望理由書とレポートを別々のものとして考えてはいけないということです。
同じ出願書類として、それぞれが何を担っているのかを見る。レポートで何を出すのかによって、志望理由書に何を書くべきなのかも変わってきます。
つまり、レポートというのは、その大学が追加で提出させるくらいのものなので、
特に見たいところだと思っていただいて構わないです。
そうなった時に、志望理由書の内容も、本来レポートで何を求められているのかということと、レポートでは扱われない内容を志望理由書に書いていかなければいけない、ということになります。
「志望理由書を終えてからレポート」ではなく、相関させて考える
レポートの前に志望理由書の指導を終えるということは、理論上不可能というか、そのレポートと志望理由書が相関するはずなので、レポートを書いていたら志望理由書が変わる、ということは起きるはずです。
例えば、レポートを書いてみたことで、ここまで書けるのであれば、志望理由書にもこれを入れた方がいいということが出てくる。
逆に、これはレポート側で書いているから、志望理由書では書かなくていいということもあります。
そのため、志望理由書とレポートを完全に別々のものとして考えるのではなく、相関するものとして考えた方がいいと思います。
レポートで求められているものによって、対策方法を変える
レポートで求められている内容は何なのかを丁寧に考えていくことが、まずは一番かと思います。
レポートで基礎読解を求めているのであれば、その基礎読解能力を上げていく。
レポートで学部知識を求めているのであれば、学部知識を上げていく。
求められていることに応じて枝分かれしていき、対策方法が変わっていくという感じですね。
そのため、まず大切なのは、「このレポートで大学は何を見ようとしているのか」を整理することです。
そして、レポートだけを単独で完成させようとするのではなく、志望理由書を含めた出願書類全体の中で、「どの書類で何を伝えるのか」を考えていくことが重要です。
志望理由書とレポートを別々に指導するのではなく、互いの役割を行き来しながら、一つの出願書類として完成させていく。
そうした視点を学校内でも共有していただければと思います。
