「いま、推薦入試が熱い!」

2023年頃から過半数を占めるようになった推薦・総合型選抜は、ますます選ばれるようになっていきましたが、その勢いは未だに衰えるところを知りません。
かつて多数派だった一般入試も、もはや縮小の一途を辿っていくようです。

おそらく、この記事を読んでいる方の多くも、推薦入試を考えているのではないでしょうか。
ただ、「志望理由書ってどうやって書くの?」など、わからないことだらけで困ってしまいますよね。

そこで、この連載では「受かった先輩が、どんな志望理由を作り上げたか」「高校時代に、どんな活動をしていたのか」について、合格者に直接訪ねていきます! 

画像はイメージです。生成AIを利用しています。

今回お話を伺うのは、北九州市立大学に通うC・Tさん。

もともと観光系の職業に就きたかったという彼女は、高校生のうちから受験のためにTOEICを受験するなど、かなり前のめりに過ごしていました。しかし、今では全く違う道を志しているのだそう。

「どうして将来の夢が変わったのか?」に直撃します。

得意な英語を活かして推薦へ

__どうして推薦受験を選んだのでしょうか?

単純に、一般受験で受けるよりもチャンスが増えるのがうれしかったからです。

もともと、英語が得意なのもあって、英米学科に行きたい気持ちが強くありました。
当時は将来的に観光業に就こうとしていたこともあり、どうしても北九大の英米学科に行きたいと考えていたんです。

__だから、推薦受験をしたんですね。ただ、一般とはちがうハードルはありましたか?

英語の資格が受験に必須だったので、そこがネックでした。
逆に言えば、そのおかげで受験倍率が1.5倍程度と低かったのかもしれませんが……。

”英検よりTOEIC”なワケ

__それで、TOEICを選ばれたんですね。英検などのほうが簡単そうですが、どうしてTOEICを選んだのでしょうか?

試験結果が点数表記だからです。
英検も検討しましたが、一次試験と二次試験に分かれていて、まずは一次に受からないと二次に進めませんし、二次試験の合否も待たなくてはいけません。

しかし、TOEICならば、受験したら結果が○点とでるだけで、合否も足切りもないので、気楽にできるんです。
英語自体はもともと得意だったこともあり、「大人も受ける英語の試験だから」としり込みする気持ちもありませんでした。

__そうはいっても、TOEICはなじみも薄いでしょうし、難しかったのでは?

それが、私は英検のほうが苦手でした(笑)。

アカデミックなワードばかりが出るじゃないですか。
特に理科系の単語とかは、出てもちんぷんかんぷんですし……。

それよりは、実用的なビジネス英語であるTOEICのほうが楽しく勉強できました。

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将来的に観光業に携わって英語を使う自分までイメージできましたし、北九大がTOEICを重視しているのも大きかったですね。

外国語で話すのが好きだった

__どうしてそこまで英語が好きになったのでしょうか?

3歳ころから、英会話に通っていました。
嫌いとか好きというよりも、できるかどうかの面が大きかったですね。英会話自体も結構好きです。

ただ、よく言われる「Netflix留学」みたいなことは、全くやっていません。

洋画とか洋楽とかの話を友達からふられることもあるのですが、正直わからないことがほとんどで……。旅行とかは好きなので、本当に英語を使って人と話すのが好きなのかもしれません。

いまでも英語のスキルは役に立っていますよ。
外国の先生が担当の授業だと、オールイングリッシュで講義が展開されることもありますからね。

__ほかの教科についてはいかがでしょうか?

英語以外の教科も、テストは結構頑張っていたので成績は悪くありませんでした。

ただ、模試になると厳しかったですね。一方で、英語だけは定期テストも模試も、両方とも好成績をたたき出していました。

知ってしまった”観光業のリアル”

__今では将来の夢が変わったと聞きましたが、どうして英語のスキルを活かせる観光業から夢を変更されたのでしょうか?

志望理由書を書き始めたのは、高3の夏頃でした。
当時はTOEICの勉強をしていた時期で、実用的なビジネスイングリッシュを学んでいたと思います。

もともと、中学の時は教師に憧れていました。
当時の恩師がとても楽しそうに働いていた姿を見てのことでした。

ただ、高校に入って、少し自分の中の「理想の先生」像が揺らいでしまって。

そこからは少し迷走しつつも、教師とは別にやりたかった観光系の仕事を目指し始めました。海外旅行とかが好きだから、観光業をやってみたいと考えたんです。

ですが、受験が終わった今年のお正月にホテルでバイトしてみて「自分は、観光業に憧れていたのではなくて、観光することが好きなのだ」と気付いたんです。

画像はイメージです。生成AIを利用しています。

私はいつも利用する側だったので知りませんでしたが、本当にホテル内部はせわしなく動き回っていて、かなり厳しい世界だと実感しました。

__「もてなす側の苦労」が想像以上に大変だったんですね。

「私がみていたのは、観光業の表の部分であり、きれいなところだったのだ」と気付いてから、また将来への道が揺らぎ始めました。

そこで思い出したのが、中学の頃志していた教師の道でした。先生の教え方もそうですが、何より先生同士の仲が良い学校で、学年全体の雰囲気がよかったんです。

高校になってからは、クラスが増えて先生の数も大幅に増加して、あまりアットホームさを感じられなくなったのですが、今から思い返せば、中学とは規模が違うのですから当たり前ですよね。

中学の英語は楽しかったのですが、それは、クラスの数も、学年の人数も少ないからだったのかもしれないと気付きました。

「人を育てることは、どんな仕事でもやること」

__なるほど、雰囲気の良い学校を作りたいわけですね。

それ以外にも、大学で取った教職課程のイントロダクションも私の決断を後押ししてくれました。

教職課程は本当に大変で、ほかの授業とは違って5限や6限など夜に授業が入ってきます。
同級生よりも授業コマ数もかさみますし、体力的にも時間的にも厳しいのは間違いない。

それでも教職を取ろうと考えたのは、紹介してくださった先生が、

「教職を取る方の中には、教師にならない人もいるでしょう。でも、人を育てることは、どんな仕事でもやることですから、必ずこの経験は役に立ちます」

と仰ったからでした。

それまでは「教師=授業をする人」というイメージだったのですが、この話を聞いてから「教師って、人を育てる人なんだ! 英語以外にも、部活や行事など、学校生活を整えて、子どもを育てる人なんだ!」と衝撃を受けたんです。

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そこで、先生っていいな、チャレンジしてみようかなと考えるようになりました。

推薦受験でよかったこと・困ったこと

__素晴らしい進学理由ですね! 受験が早めに終わったおかげでお正月のバイトに入れて、そのおかげで観光業のリアルを知り、将来像が変わったわけですが、ほかにも「推薦受験でよかった!」と感じることはありますか?

やはり、結果が早いのはうれしいですよね。準備も前からできますし、終わった後の時間も有効に使えます。

アルバイトももちろんですが、例えば大学進学を機に引っ越すなら物件を選ばないといけませんよね。選ぶなら、やっぱり早いほうがいいのは間違いない。

それに、面接の想定質問を考えるとか、小論文の対策をするとか、そういった練習の中で記述力や思考力も培われます。こうした力は、きっと二次試験でも役に立つと思いますよ。

__逆に、推薦受験で困ったことはありますか?

正直、志望理由書を書くまでは「将来○○をやりたい」とか「○○になりたい」みたいなビジョンがあまりありませんでした。

私の場合は、観光業を書きましたが、絶対になりたいと考えていたわけではなかった。だからこそ、夢が変わっているわけですからね。

もちろん、高校生が将来の夢を確定させるのは難しいでしょう。そこから数十年分のキャリアの、第一歩になるわけですから。

自分の場合は、英語しか軸がなかったので「英語を使いたい」くらいのふわっとしたイメージしかないので、苦労しました。常日頃から「自分は英語が得意だから、英語を使って何をしたいか」と考えておくべきでした。

ただ、「英語を使って何ができるだろう?」と考える機会は、そう多くないと思います。だからこそ、将来を検討するいい機会になるはずですよ。

高校生には知られていない仕事、見えていない職業などがこの世にはたくさんあるわけですから、それらを調べる上で、「世界の見えないところには、いろいろな人が働いている」と知る社会勉強にもなりますからね。

将来に向けて柔軟に構えて

もともと描いていた、志望理由書で宣言した夢のビジョンが、奇しくも大学入学前に揺らいでしまったC・Tさんの例ですが、実はこうした学生は少なくありません。

私が取材を進める中でも、多くの学生が「入学前に描いていた夢」とは異なるビジョンを胸に、日々邁進しています。

ただ、それが悪いことだとは思いません。確かに何度もコロコロ変わるのは問題かもしれませんが、大人でもあらかじめ描いていた夢や計画を変更するのは、十分あり得ることでしょう。

画像はイメージです。生成AIを利用しています。

世界には知らない物事があふれていますし、高校生のまだ成熟しきっていない視野ではなおさら多いはず。
問題点が発覚したならば、進路を修正すべきなのは間違いありません。

むしろ、「初志貫徹」を言い訳に思考を停止させて計画を変更しないほうが、愚かだとすらいえます。

問題は、「なぜ夢が変わったのか」であり、「何に変更するのか」。

その理由がはっきりとわかっているならば、将来のために自分の計画を曲げるのは、十分ありなのではないでしょうか。

C・Tさんの志望理由書はこちら!

https://www.miraizu-suisen.com/database/universities/F140210110607/58e1999d-26f6-4cde-a6f4-0f8207b9baaf/motivation-letters/ef01cce5-c3be-44ed-8fa5-4a83c83279ec