「いま、推薦入試が熱い!」
2023年頃から過半数を占めるようになった推薦・総合型選抜は、ますます選ばれるようになっていきましたが、その勢いは未だに衰えるところを知りません。かつて多数派だった一般入試も、もはや縮小の一途を辿っていくようです。
おそらく、この記事を読んでいる方の多くも、推薦入試を考えているのではないでしょうか。ただ、「志望理由書ってどうやって書くの?」など、わからないことだらけで困ってしまいますよね。
そこで、この連載では「受かった先輩が、どんな志望理由を作り上げたか」「高校時代に、どんな活動をしていたのか」について、合格者に直接訪ねていきます!
今回お話を伺うのは、名桜大学国際学部に通う川野涼香さん(仮名)。石川県のご出身である川野さんですが、現在は沖縄県の大学に通っています。「海を渡って沖縄の地へ移り住んででも学びたいことがあった」という彼女の熱意の根源を探ります。
リスクを避けて総合型へ
__どうして総合型選抜での受験を考えられたのでしょうか?
もともとは総合型ではなくて、学校推薦型の入試を考えていました。推薦なら、小論文と面接だけで合格できますし、落ちても共通テストで巻き返せるからです。
しかし、名桜大学の学校推薦は12月にありました。ほかの大学と比べて、1か月くらい遅いんです。これだと、落ちてから共テ対策をするようでは、到底間に合いません。
流石に推薦一本で受けるのはリスキーかなって思っていたところ、名桜大学国際学部の総合型なら、9月に入試を受けられると知りました。
これなら、まず総合型を受けてみて、ダメでも12月の学校推薦型と共通テスト利用とで二重に保険がききます。だから、総合型の受験を決めました。高3の7月くらいのことです。
泣きながら思いをぶつけあった部活動
__一般入試も併用するとなると、準備が大変そうですが……。
高校の特色として、クラスの8割くらいが推薦で進路を決めます。推薦準備の支援が手厚くて、面接とかプレゼンとか、とにかく練習に付き合ってくれるところでした。そのため、どっかの推薦・総合型には引っかかるかなと考えていた部分はあります。共通テストの勉強自体もしていましたが、推薦メインだったので、そこまで負担ではありません。
メンタルサポートも手厚くて、確かに私自身は本当に受かるのか不安に感じることも多かったのですが、そのたびに「あなたは、部活もちゃんと頑張れたんだから、大丈夫だよ」と声掛けしてくださいました。

__部活は結構ハードだったんですか?
母校は、いわゆる強豪校で、いろいろな部門で結果を出していました。ほとんど全ての部活が何かしらの賞をとってきて、夏休み前後の発表ではずっと賞の読み上げが続くほど。
私の所属していたチアでも、かなり厳しい練習体制が敷かれました。チアリーディングでは、誰かの手や肩の上に全体重を預けてポーズをとったり、逆に基礎として誰にもケガさせないように支え続けたり、とにかくお互いの信頼が必要になります。
だから、部活の内外を問わず、ずっとミーティングしていました。部活外ではLINEで話し合って、部活が始まる前の1時間を対面のミーティングに充てて、部活中ももちろん話し合って……。
そこまでしないと、お互いの抱えたものが見えてきません。
その状態では、相手を信用しきれなくて、ケガのリスクも跳ね上がるんです。
実際に、私自身もミスをしてケガをさせてしまったことがあります。
罪悪感に呑まれて、ステージに立つのが怖くなりました。
信頼でできあがるスポーツだからこそ、信頼を取り戻すためにはどう動くべきかを考えていました。
みんな、泣きながら、それでも本当の本音をぶつけ合うこともしばしばありました。

渡海してでも目指したかった仕事
__大変な思いをされて、成長してきたのですね。では、どうして地元を遠く離れた沖縄の大学を志望されたのでしょうか?
沖縄だから選んだってわけではなくて、行きたい大学を調べた結果、沖縄の名桜大学が一番当てはまっているから選びました。
もともとは、名桜と兵庫県の大学で迷っていました。当時は、ウェディングプランナーになりたかったんです。
専門に行く道もありましたが、進路を決め切るべきではないと考えて、観光学部のある大学を探しました。金銭的に私立大学は難しかったので、国公立で絞ってみると、意外と観光学部を備えた国公立大学って多くないんです。
それに、和歌山大学観光学部など、地域密着型の観光を掲げるところもあります。私のやりたい、国際関係の中での観光論を学ぶには、やはり兵庫の某大学か、名桜でした。
そこで比べたときに、より自分のやりたいことができるのが、今の大学だと感じたので、ここを選んだんです。
協定校が多くて海外留学の選択肢も多そうなあたりも、うれしいポイントでした。
__ただ、東京や大阪といった都会ではなく、沖縄への進学ということで、だいぶ親御さんもびっくりされたのではないでしょうか?
すごく驚いていました(笑)。でも、今言ったような理由を伝えたら、「自分のやりたいことなら、そこでやってきなさい」と納得してくれました。
私は、本当に恵まれていると感じました。

あの日見た笑顔をもう一度
__いまは大学でウェディングプランナーを目指して勉強されているのでしょうか?
それが、ちょっとだけ夢が変わりました。
大学に入っていろいろわかってきたのですが、日本のウェディングプランナーはどちらかというと営業職っぽいんですね。
ホテルのプランナーとかもありますが、やはりしっくりこない。
そこでもうちょっとだけ詳しく調べてみると、今度は「フォトウェディング」に特化したお仕事があることも知りました。
いまは、これに向けて勉強しています。
__そもそも、どうしてブライダル業界に興味を持たれたのでしょうか?
中3の時に、担任の先生から結婚式に呼ばれたんです。
当時入っていた部活の顧問を務めていた、男の先生でした。
式の最後、廊下を2人で歩く姿が、本当に素敵で。
3年くらい一緒に活動していましたし、嬉しいことや悲しいことも色々ありましたが、それでも一度も見たことがないくらいに幸せそうな表情をしていました。
誰かにとって、感じたことがないほどに幸せな瞬間を演出するって、もしそんなことができるなら、素晴らしいことですよね。
私は、あの日見た先生の笑顔や、それを引き出した幸福を、もっと色々な人に味わってほしいのだと思います。

__推薦入試でよかったと感じること、困ったことはありますか?
正直、学校推薦型入試は、面接とプレゼンで終わるのは楽ですよね。
ただ、ちょっぴり時期が遅いので、ギリギリまで一般と推薦を両方見据える必要が出てくるのは、ネックです。
では総合型にすればいいじゃないか、となりますが、私は7月まで総合型で受けるつもりがなかったので、相当準備が大変でした。
受験日程が早いということは、それだけ準備も前倒ししないといけない。
本当なら、あと1~2か月くらい前から備えておくべきだったのでしょう。
私は2か月足らずでプレゼン・面接・小論文の3つを合格レベルまでもっていかざるを得ず、これが本当に大変でした。
私はチアのミーティングで自分の動機を言葉にしたり、相手に思いを伝えたりすることになれていたので、まだよかったほうかもしれません。
面接でも、印象勝負になると聞いていましたから、声を大きくハキハキと笑顔で話して「こんなに調べてきたし準備もしていて、ここまでやる気がある人はいないよ!」とアピールしていました。
総合型選抜では、良くも悪くも「ほかの人と比べてどう見えるか」が重視されるように感じます。
同じような調査や思考を辿っている人は、そこそこいるでしょうから、「その中でも自分はひときわ違うよ」と、印象の部分で勝負するような考え方が必要になるかもしれませんね。






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