東京大学の推薦入試はどのような学生を求めているのでしょうか?

一般に推薦入試には、課外活動実績、人間性、言語化能力など様々なことが要求されます。

しかし、当然それは受験する学部や専門としたい学問分野によって異なるでしょう。

文学部を受験する生徒には工学部を受験する生徒よりも言語における緻密さが必要かもしれないし、工学部の生徒はより科学的な知識と思考能力が問われるかもしれません。

求めている人間像が異なる以上、例えば、工学部の推薦に受かる生徒が、理学部や薬学部など他の推薦には受かるとは限らないのです。

それでは、東京大学の〇〇学部に推薦で合格したい!と特定の学部に合格したいと考えている学生はどのように対策をしていけば良いのでしょうか。

今回は実際にあった推薦入試面接における教授陣からの質問を元に、各学部の求める能力や人物像を読み解いていきます。

法学部編

2024年入学で法学部に推薦合格を果たした生徒様にお伺いしたところ以下のような質問が投げかけられたようです。

● 日本人の他人への思いやりってどこから生まれたのでしょうか。日本人が持ってるものなのか、それとも社会から生まれたものなのでしょうか。

● 外国人の受け入れについてどう思いますか?

● 日本の良さとグローバル化って対立なのでしょうか?

● 何を残して何を残さないのか、その基準はなんだと思いますか?

こちらの生徒様は主に「日本」そして「グローバル化」といったキーワードをメインに質問を投げかけられた模様です。

法学部の推薦入試の受験要項に記載されている求める人物像を確認すると、「現代社会、とりわけグローバルな場でリーダーシップを発揮する素質を持つ学生」と記載がありました。

この求める人物像にも書かれている通り、激しく変化する世界情勢の中でプレゼンスを発揮できるような学生が求められているようです。

そのため、面接の質問では日本のグローバル化と日本ならではの良さというところに焦点が当てられて議論が展開されたように見えます。

文学部編

次に紹介するのは2024年度の文学部の推薦入試における、2次試験の一環として提出した小論文についての質問です。

● なぜ〇〇という言葉を用いたのか

● 個人の自由はどこまで許容されるのか

1つ目の質問は小論文で使用した単語についての質問です。とある単語を使用した理由まで尋ねられるのは文学部ならではの言葉に対する重みを意識する姿勢が感じられます。

文学部は入学を希望する学生に対して、自身の考えを論文や言葉を通じて他者に伝える能力を求めています。そのため1つの言葉が適切に使用されているかを確認したのだと推測できます。

2つ目の質問ですが、こちらはかなり哲学的に重要な問いのように感じられます。

「自由」に関する研究や論説は法学部、文学部などから様々出されており、議論は終結していません。このように答えがない問いに対しても自分なりの説得力のある言説を提供できるかどうかを試されているのかもしれません。

工学部編

続いては工学部の推薦入試面接の質問をご紹介いたします。

● ハーバーボッシュ法のポイントと歴史的位置付けについて教えてください。

● あなたの行った探究活動の概要を1分程度で英語で教えてください。

1つ目の質問は本人が志望する研究分野に関しての質問だそうです。ハーバーボッシュ法と言われてもほとんどの人がピンとこないはずですが、工学部ではかなり専門的なことが聞かれるようです。

のちに理学部の質問項目についてもご紹介しますが、理系の推薦入試受験者にはかなり高度な専門知識を要求しているように感じられました。

2つ目ですが、なんと英語で質問がとんできたようですね。現代、研究者として功績を残すためには英語論文の出版が必須となっている中、英語で研究分野を語れる必要があるという意図だと思われます。

この質問を受けた受験者の方は、英語で質問されることがあるかもしれないとわかっていたそうで、詰まりながらもなんとか回答したそうです。

一般に急に英語で専門分野について話せと言われても難しいので英語面接への対策は必須と言えます。

理学部編

理学部では口頭による専門分野への質問内容が多く含まれているようです。今回紹介するのは一部に限られますが、理学部を受験する方は自分の専門としたい分野についてはかなり精通している必要がありそうです。

● 親水コロイド、および塩析について説明せよ。

● 有機金属化合物の研究はどのように進めていくべきか。

● 水素結合の特異性について。

● 好きな元素

上の3つの質問は化学に関する専門的な内容という印象を受けます。これは本人の希望する研究分野から出されているのでしょう。

理系の学部では研究者レベルとは言えども、大学の学部で学ぶ内容レベルの理解は求められていることがわかります。

最後の質問は非常にユニークで雑談的な質問のように感じます。ただ、これについても説得力のある自分なりの回答を出すことができるかというのが鍵になってきそうですね。

薬学部編

最後にご紹介しますのは、薬学部の推薦入試面接になります。

● 科学の甲子園にはどのように取り組んだのか?

● 研究者を志す理由は何か?

工学部、理学部と比べると専門的な質問はあまりきていないように感じますね。理学部の募集要項などには面接にて基礎学力を問うというような記載がある一方で、薬学部にはそのような記載はありません。

薬学部の募集要項欄には、面接では「学校等における特筆すべき活動、薬学部の志望理由、大学・大 学院卒業後の自己の将来像に関して発表していただきます」と記載されており、必要であれば資料配布も可能だそうです。

また、自然科学全般に強い興味を持つ人物像を求めているため、科学の甲子園についての質問がなされたのかもしれません。


いかがだったでしょうか?

東京大学の推薦入試における面接は非常に多種多様で予測ができません。

自分の専門領域については自信を持って語れるという自信とそこに行き着くための努力が鍵となってくるように感じます。

推薦入試を考えている学生は是非とも参考にしていただけると嬉しいです。