推薦面接では、結局どこまで深掘りされると考えて準備すればいいですか?

結論から言います。

志望理由書に書いたことについて、「なぜ?」を何度聞かれても、自分の言葉で答えられるところまで準備してください。

ただし、面接で聞かれそうな質問を100個考えて、それぞれの回答を丸暗記する必要はありません。むしろ、それをやると失敗します。

大事なのは、質問を予測することではなく、自分の考えをどこまで深く理解できているかです。

目安としては、志望理由書に書いた主要な内容について、次の四つに答えられる状態を目指してください。

  • なぜ?:なぜその問題に関心を持ったのか。
  • 具体的には?:その問題の何を変えたいのか。
  • 反対意見は?:自分の考えには、どのような課題や限界があるのか。
  • 大学で何を学ぶ?:その課題を深めるために、なぜその大学で学ぶ必要があるのか。

この四つを自分の言葉で説明できれば、想定していなかった質問にも対応しやすくなります。


1.面接のポイント①:面接は「志望理由書の口頭試問」だと理解する

まず、面接対策で最初に理解してほしいのは、面接は志望理由書と切り離して考えるものではないということです。

面接になると、急に別のゲームが始まると思ってしまう人がいます。志望理由書は志望理由書、面接は面接。それぞれ別々に対策しなければいけないと考えてしまうわけです。

でも、実際にはそうではありません。

面接で聞かれることの多くは、すでに志望理由書に書いたことの延長線上にあります。

結局、聞かれるのはここです。

「なぜその問題に関心を持ったのか。」
「なぜその大学・学部なのか。」
「高校時代に何をしてきたのか。」
「大学で何を学びたいのか。」
「将来どうつなげたいのか。」

例えば、志望理由書に「私は教育格差の解消に貢献したいと考えています」と書いたとします。

そうすると、面接官は当然、こう聞きます。

「なぜ教育格差に関心を持ったのですか?」

ここまでは、想定している人も多いと思います。

でも、問題はその次です。

「教育格差の中でも、具体的にどのような問題に関心があるのですか?」

「その問題を解決するために、何が必要だと考えていますか?」

「なぜ、それを大学で学ぶ必要があるのですか?」

ここまで聞かれたときに、自分の言葉で説明できるかどうかが重要なんです。

つまり、面接官は志望理由書に書いてある言葉を、一段ずつ掘り下げているわけです。

だからこそ、最初にやってほしいのは、自分の志望理由書を5つくらいのまとまりに分けることです。

  1. 「問題意識」
  2. 「きっかけ」
  3. 「これまでの行動」
  4. 「大学で学びたいこと」
  5. 「将来像」

この5つについて、それぞれ30秒から1分程度で説明できるようにしてください。

文章を見ずに話してみると、意外と詰まるところが出てくるはずです。そこが、まだ自分の中で十分に整理できていない部分です。

面接対策は、すでに書いた志望理由を自分の言葉で説明できるようにすることから始まります。


2.大学が見ているのは「思考の深さ」と「対話力」

次に理解してほしいのは、大学が面接で何を評価しているのかということです。

受験生はつい、「噛まずに話せるか」「ハキハキ話せるか」「堂々として見えるか」といった部分を気にします。

もちろん、相手に伝わるように話すことは大切です。ただ、それだけで合否が決まるわけではありません。

大学が見たいのは、もっと中身の部分です。

具体的には、思考の深さと対話力です。

まず、思考の深さとは、自分の関心をどこまで追究できているかということです。

「なぜその問題に引っかかったのか。」
「なぜそれを社会課題だと思うのか。」
「なぜほかの大学ではなく、その大学・学部で学びたいのか。」

こうした問いに対して、どれだけ具体的に考えられているかが問われます。

例えば、「地域格差に関心があります」と言うだけなら、誰でもできます。

でも、面接官から「地域格差の中でも、何の格差に関心があるのですか?」と聞かれたらどうでしょうか。

教育なのか、経済なのか、医療なのか。それとも、地域によって将来の選択肢が制限されてしまうことなのか。

ここまで具体的に説明できなければ、自分が何を問題だと考えているのか、まだ十分に整理できていないということです。

そして、もう一つが対話力です。

これは、単に人と仲良く話せるという意味ではありません。

相手の質問を理解し、その質問に応じて、自分の考えを組み立て直して伝えられるかどうかということです。

面接を「発表会」のようにしてしまう人がいます。どんな質問が来ても、準備した文章をそのまま話そうとするのです。

でも、面接官が聞いていることと、自分が話したいことがずれていたら、会話は成立しません。

例えば、「なぜこの学部を志望するのですか?」と聞かれたら、まず志望理由を答える。そのあとで、必要に応じて具体例を補足する。

この順番を意識するだけでも、かなり話しやすくなります。


3.「なぜ」を三回繰り返して、自分の考えを掘り下げる

では、具体的にどこまで準備すればいいのでしょうか。

おすすめなのは、志望理由書に書いた言葉に対して、「なぜ」を三回繰り返してみることです。

例えば、「子どもの貧困に関心があります」と書いたとします。

まず、「なぜ子どもの貧困に関心を持ったのですか?」と聞いてみます。

ここでは、自分が関心を持ったきっかけや、実際に経験したこと、見聞きした出来事などを説明できるようにします。

次に、「なぜそれを問題だと感じたのですか?」と掘り下げます。

単に貧困が存在するから問題だと考えるのではなく、それによって子どもの教育機会や将来の選択肢にどのような影響が生じるのか、自分なりの考えを整理します。

そして、三つ目が「なぜ、その課題を大学で学びたいのですか?」という問いです。

自分の経験だけでは、何が十分にわからなかったのか。大学でどのような知識を身につけたいのか。どのような方法で課題の解決を考えたいのか。

ここまで説明できるようにしておく必要があります。

大切なのは、三回という数字自体が重要なわけではなく、一つの問いに答えたら、さらにその理由を考えることです。

「関心があります」
「解決したいです」
「社会に貢献したいです」

こうした言葉は、一見すると立派に聞こえます。でも、それだけでは、あなたが何を考えているのかは伝わりません。

なぜ関心があるのか。
なぜ解決する必要があるのか。
自分は何を変えたいのか。

そこまで言葉にできて、初めて自分の考えとして伝わるようになります。


4.自分の経験から社会課題まで、視野を広げる

さらに、面接では、自分の経験について説明するだけでは不十分な場合があります。

大学側が知りたいのは、その経験を通して何を考え、どのような問題意識を持つようになったのかということだからです。

例えば、高校時代に教育格差について調べたとします。

面接官から「調べてみて、何がわかりましたか?」と聞かれたときに、調べた内容を説明するだけでは、少しもったいないです。

そこから一歩進んで、
「なぜ地域によって教育機会に差が生まれるのか」
「その問題を解決するためには何が必要なのか」
「自分が考えた解決策には、どのような課題があるのか」
という視点も重要です。

例えば、オンライン授業を活用すれば、地域による教育機会の差を縮められるかもしれません。しかし、インターネット環境や家庭での学習支援など、別の課題が残る可能性もあります。

このように、一つの解決策を考えたら、その限界や反対意見についても考えてみる。そうすることで、考えが一段深まります。

もちろん、自分の経験だけで社会全体を説明する必要はありません。むしろ、「私が経験した範囲ではこう感じましたが、これだけで全体を説明できるわけではありません」と伝えられることも大切です。

そして、最後は大学での学びにつなげます。

自分の経験から、どのような疑問が生まれたのか。その疑問を解決するために、何を学ぶ必要があるのか。なぜ、その大学の授業や研究環境が必要なのか。

ここまでつなげて考えておくと、志望理由書と面接の回答に一貫性が生まれます。


5.完璧な回答よりも、考え続ける姿勢を見せる

最後に、もう一つ伝えておきたいことがあります。

それは、すべての質問に完璧に答えられる必要はないということです。

面接では、想定していなかった質問が来ることもあります。

「その考えには反対意見もあるのではないですか?」

「あなたの経験だけで、社会全体について説明できますか?」

「なぜ今の段階で、その進路に決められるのですか?」

こうした質問をされると、焦ってしまう人がいます。何とか正解を出そうとして、無理に言い切ったり、自分の考えを守ろうとしたりするのです。

でも、そこで必要なのは、反射的に相手と戦うことではありません。

「たしかに、そのような視点もあると思います。そのうえで、私は〜と考えています」と、いったん相手の意見を受け止めてから、自分の考えを説明する。

あるいは、「その点については、まだ十分に考え切れていません。ただ、だからこそ大学でさらに深めたいと考えています」と伝える。

こうした対応も、一つの方法です。

大切なのは、わからないことを無理に取り繕わないことです。今の自分がどこまで考えられているのかを誠実に伝え、必要であれば、その場で考えを整理して答える。

大学で学ぶ前から、すべての答えを持っている必要はありません。

むしろ、自分の考えにはまだ足りない部分があると理解し、それを大学で深めていこうとする姿勢も重要です。

だからこそ、面接対策では、質問と回答をひたすら暗記することに時間を使いすぎないでください。

大学が見たいのは、完成された回答ではなく、自分の考えを持ち、それを深めながら相手と対話できる人です。

志望理由書に書いた言葉を一つずつ掘り下げ、自分はなぜそう考えるのかを整理してみてください。


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