日本全国の各大学では推薦入試を経ての入学者増加の割合が増加しており、それは「私学の雄」と呼ばれる早稲田大学においても例外ではない。

実際に2022年度の文部科学省の調査によると、推薦入試による合格者は、50.3%。一般入試による合格者の49.7%を上回る水準となっており、早稲田大学においても2026年までに推薦での入学者割合を6割まで増加させる予定である。

今回の記事では、そんな早稲田大学の看板学部、政治経済学部の「グローバル(海外就学経験者)入学試験」についての情報をお伝えしていきたいと思う。「早稲田の闇」「親ガチャ入試」と言われることも少なくない本入試の全貌に迫っていきたい。

 

まずは、この入試形式はどのような学生が対象となるのか。主な出願資格は下記のようにある。

主な出願資格

① ⽇本の教育制度以外の課程にて教育を実施する日本国外に所在する外国の中等教育機関に継続して2年間以上在籍した者 

もしくは、 ②⽇本の教育制度以外の課程にて教育を実施する⽇本国外に所在する外国の中等教育機関に最終学年の1年間を含めて、中等教育における期間を通じて通算で2年間以上在籍した者あるいは在籍する見込みの者

上記を見てわかるように、「事実上の帰国生入試」となっており、現時点で海外の教育機関に在籍しない方にとっては関わりのない形式であることはご承知おきいただきたい。

※今回の入試方式では「海外にあるインターナショナルスクール」は出願資格を持つが「日本国内のインターナショナルスクール」対象外となる。国内のインターに在籍の方は他の入試形式を検討することをおすすめしたい。

 

上記の出願条件でポイントなのは「2年間の在籍」という部分で、2年という期間を考えると自発的な取り組みは考えにくく両親の仕事の都合など含め帰国生が対象のメインであると考えるのが妥当だ。

仮に意図的に取り組むのであれば、中学3年時には両親の承諾を得た上で手続きを進めていく必要があるだろう。

また、同学部は2021年度より一般入試の改革を行ったことで知られるが、この入試方式も改革の一環だ。

20年まではAO型入試を行っており、帰国生入試をそこへ吸収してきたのだが、その帰国生の部分だけが残ったというイメージだ。

重要となる提出書類

この出願資格を満たすだけで合格に大きく近づいているとも言えるが、そこからは海外での修学経験を持つ猛者との争いが始まる。一般入試と比べて倍率は低いといえど、応募者の質は極めて高い。その中で一歩前に出るには、提出書類の質が重要になる。

選考にあたって必要となる提出書類は下記の通りだ。

 ①活動記録報告書

①生徒会、地域活動、ボランティア活動等

②学芸、弁論、スポーツ等の大会・コンクール・展覧会等

④技術および能力に関する資格や科目の秀でた成績

いずれかをまとめる。

題意は「その活動を通じて学んだこと」および「それを今後の勉学と将来にどう活かしたいか」(それぞれ300字以上400字以内)

②論文

日本語で記述。長文の日本語文資料に基づき「理解力・分析力・思考力」を主に問う。(制限時間:120分)

他にも、英語能力試験のスコアカード(TOEFL(iBT)・IELTS(Academic)のいずれか)の提出が必要。

 

書類選考は行われず、出願資格を満たしていて書類の用意をできれば会場試験までは進むことができるが、最終の合否を考えれば提出書類も入念な準備が必要だ。

提出書類で特に重要なのは「活動記録報告書」だ。

「生徒会、地域活動、ボランティア活動等」「学芸、弁論、スポーツ等の大会・コンクール・展覧会等」「技術および能力に関する資格や科目の秀でた成績」を最大3つまで挙げて「その活動を通じて学んだこと」(300字~400字)と「それを今後の勉学と将来にどう活かしたいか」(同)を記入する。

3つの要件があるが、これは無理に全てを記載する必要はない。その理由は後述する。

実際の試験の流れと合格へのポイント

上述の通り、その後は会場での2度の試験に進む。

1度目は「論文審査」(2時間)。

この試験では、資料を読解した上で地震の考えを英語にて表現するものだ。

同学部は一般選抜で数学を必須にするなどの改革を行っているため、本入試においても資料等からの分析力を測っている形だ。

米英の現地校では文系理系の区別はないことが多いが、どちらかと言えば理系的思考を持つ学生の方が有利に働くだろう。

とはいえ、政治経済を学ぶ同学部での学問ではどのみち重要になる素養であるため、入学後も苦労しないよう、この部分の素養を養って置くことをオススメしたい。

1度目の選考がなされ、通過者のみ2度目、最終会場試験に進む。

ここでは15~20 分程度の面接となり、「活動記録報告書」を元に今までの自身の取り組みをアピールする。

上記で3つの活動記録の要件を全て無理に記載する必要がないと述べたのはこの部分だ。

15~20分の時間を考えると自身の取り組みについて深掘りがあるのは10分程度と考えられる。浅い経験を複数書くよりも、自身のある濃い経験を1つ記載し、その部分に特化したアピールを行うことが合格への近道だろう。

 

また、2025年度入試の場合は出願期間が7月12日~7月19日、一次試験(論文審査)は9月1日、一次試験合格発表が9月12日で、二次試験(面接審査)は9月22日。最終合格発表は9月26日となっている。

一次試験の発表から二次試験までが10日しかないため、大慌てでの対策とならないよう先を見越した対策を現地で行なっておけるとよりよいだろう。

 

ここまで早稲田大学政治経済学部の帰国生入試について見てきたが、出願条件という大きな壁を超えていれば、一般的な素養があれば十分突破は可能という印象だ。

出願対象者は、出願の検討をお勧めしたい。