みなさんは「大学の附属中学・高校」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

 「きっと、高校も大学も受験せずにそのまま進むことができるから、楽だろう」

 「大学の学部も自由に選べるんだろうな」

 そんなことを考える人は多いと思います。実際、全国的に大学の附属中学・高校は近年人気になってきていて、中学受験・高校受験ともに人気です。

 しかし実は、「大学の附属中学・高校になんて入らなきゃよかった」と考えてしまう人もいます。

1.附属大学があるんだから……

 「附属大学があるのになんでほかの大学受験するの!?なんでそんなことするの!?」

これは、私が同じクラスの子から実際に言われた言葉です。

普通、受験生にこんな言葉を投げかけるでしょうか?

 「無神経な人もいるものだな」と思った人もいるかもしれませんが、これが現実です。

 附属高校の生徒にとって、決められた大学へ進学するのは当然のこと。

 それが、この高校に入学した人の「模範的ルート」なのです。

 

 私が通っていたのは、愛知県にある中堅私立大学の附属高校でした。その大学は愛知県内では知名度が高く、規模も大きいため、県内で就職するには十分な学歴が得られる学校です。

 そのため、クラスの40人のうち他大学進学を考えていたのは私だけでした。

 

 実際、私自身も高校二年生までは附属大学に進学するつもりでした。高校受験の際に勉強が嫌になり、楽をして内部進学ができるこの学校を選んだからです。

 周囲にも、私と同じような理由でこの高校に進学し、そのまま内部進学を選ぶ人が多くいました。

 しかし、私はそんな「模範的ルート」に甘えてしまい、堕落した高校生活を送ることになったのです。

2.狭まる視野

 付属高校の最大の魅力といえばなんだと思いますか? そう、内部進学ですよね。

 実際、私自身もその点に魅力を感じ、附属校への進学を選びました。附属校の内部進学システムは学校によって異なりますが、一言でいえば、「一定の成績を保ち、問題を起こさなければ、附属大学に進学できるシステム」 です。安定的で、効率的で、魅力的。

 しかし、このシステムには大きな落とし穴があります。

 私の進学した学校は大規模な大学の附属校だったため、「いつか興味のある学部が見つかるだろう」と思っていました。しかし、いざ進路を考えたとき、本当に行きたい学部がないという現実に直面しました。

 「どの学部にも惹かれない。」

 「でもこの中から決めなきゃいけない…!」

 私は幼少期から習っていたピアノやクラシックバレエの影響で、西洋文化を学びたいと思っていたのですが、それに該当する学部は存在しませんでした。国際学部があったためそこにあるかと思い込んでいたのですが、シラバスを覗いてみても西洋に関する学問すらなかったのです。
 ほかの大学の国際学部を調べたとき、「同じ名前の学部でも学べることってこんなにも違うんだ」と衝撃を受けました。

 附属校の生徒の多くがその大学の学部の中から進路を決めることになります。進路は誰にでも自由に選ぶ権利があるはずです。しかし、気づかないうちに視野は狭まり、「やりたいことを学ぶ」 のではなく、「既存の学部に自分を合わせる」 という状態に陥ってしまうのです。

 他にも、中学進学の時に附属中学に進学し、そのまま高校・大学と考える人もいるでしょう。そして大抵の人は、小学校の時には学部のことなんて考えていません。「きっとこのまま大学に進んだら、そのまま私のやりたいことができるはず」と考える場合がほとんどです。そして、高校生になって初めて、それが間違いであることに気付くわけです。そして、気付いた時にはもう遅く、一般入試の準備や選抜入試の準備もしていないわけですから、もうその大学に行くしかなくなるということです。

3.進学理由は「なんとなく」、自分を見失う恐怖の同調圧力

 「仲の良い友達と同じ学部に進学したい」

 「この学部、男子ばかり/女子ばかりだからやめておこう」

 附属校では、このような理由で進路を決める生徒が少なくありません。周囲に流され、自分の将来を考えずに学部を選ぶのです。この 「同調圧力」は、想像以上に強い影響を与えます。

 進学後に後悔しても、「決められたレール」から抜け出すのは容易ではありません。内部進学を前提とした附属校では、「違う道を選ぶ勇気」を持つことが非常に困難な環境なのです。

  大学選び・大学受験は良くも悪くも将来に直結します。楽をしたいからと甘えた思考で大学を選び、進学した場合どうなるでしょうか。

●      4年間、高い学費を払って興味のない学問をなんとなく学ぶ

●      周りに流され、やりたくもない道を選んでしまう

●      そのまま社会に出て、やりがいを見つけられない人生を送る

 こんな人生、本当に送りたいですか? 

4.明るい未来にするために

 ここまで附属校の落とし穴を紹介してきましたが、「じゃあ、どうすればいいの?」という疑問が湧くかもしれません。

 基本的には、附属校に進学する前に「本当に内部進学先で学びたいことがあるのかを確認する」のがいいと思います。また、進学のシステムも学校によって違いますから、 附属校のシステムが自分に合っているのかを考える必要があります。決して、「楽だから」という理由だけで選んではいけません。

 また、既に附属校に通っている人は、視野を広げるために、他の大学の学問や進路についても調べる必要があるでしょう。内部進学だけでなく、外部進学も選択肢に入れるのです。

 そしてそのためには、しっかりやりたいことを明確にする必要があります。その際には、それに合った学び方・学ぶ場所を探す必要もあると言えます。結局、自分と向き合う時間が少なく、後になってから「やっぱりこっちがいい」となっても、苦労することもあるかもしれないわけです。 

5. まとめ

 ここまで多くの附属校の闇を暴いてきましたが、もちろん附属校に進学してよかったと思っている方々も多くいます。しかし、附属校には多くのメリットがある一方で、進学後に後悔する人もいるのが現実です。「楽して進学」という甘い言葉に惑わされる前に、自分にとって本当にベストな選択肢かどうかを考えてください。

 そして、すでに附属校に進学している人は、もっと視野を広げる努力をしてみてください。「やりたいことがない」と感じているなら、他大学への進学や、自分の将来について改めて向き合うことが大切です。

 あなたの人生は、あなたが決めるものです。

 周囲や環境に流されるのではなく、自分の未来を自分で選びましょう。