1. はじめに

 東京大学に入学する方法として一般入試が有名ですね。そしてそれに対して、約10年前から学校推薦型選抜の入試ができたことについては広く知られていると思います。

 しかし、あまり知られてはいませんが、東京大学にはもう一つの推薦入試とも呼ばれる入学ルートがあります。

 それが帰国子女入試です。一般的に東京大学の帰国子女入試は倍率が比較的低く合格しやすいと考えられています。

 当然厳しい条件やそれなりのハードルは存在しますが、どうしても東京大学に入学したいという方は、一度考慮してみるといいかもしれません。

 本記事では、東大の帰国子女入試について、試験内容や出願要件、過去のデータをもとに詳しく解説します。

2. 東大の帰国子女入試とは?

 東京大学における帰国子女入試の正式名称は「外国学校卒業学生特別選考・第2種」です。ちなみに、第一種は私費留学をする外国人向けの入試形態です。

 募集人数は募集要項によれば「若干名」と書かれており、合格者も各学部5名以下となっており数だけをみると非常に厳しい戦いのように見えます。

 一方で倍率自体はそこまで高くはないのが特徴となっています。

 また、出願時期が早いのが特徴ですので早めに準備を行うことをおすすめしています。

3. 帰国子女入試の対象者

 次に出願の対象者についてみていきましょう。

 主な出願条件としては以下のようになっております。

まとめ:

・日本国籍を有する

・海外の高校を卒業し、通算で五年以上海外に在籍していたもの

・TOEFL ibt又はIELTSを出願開始日から二年以内に受験していること 

試験内容と科目

 東京大学の帰国子女入試では、書類審査と二次試験そして面接の三つの試験が存在しています。

・書類審査

書類審査では主に、「志望理由書」「推薦書」「英語試験のスコア」の三つにおいて合否が決定します。

志望理由書は「東京大学を志望した理由、学びたいことを述べてください」という非常にざっくりした問題が提示されます。これに対して30行程度で回答します。いかに具体的に志望理由書を書き進めることができるかが合格の鍵となります

次に推薦書ですが学校の成績、現地の大学のうちその志願者に進める大学、志願者の人格、課外活動について書く欄があります。推薦人の先生とどのような側面の自分を押し出していきたいかよく相談するのが良いでしょう。

最後に英語試験のスコアですが、流石に帰国子女入試とだけあって非常に高い点数が求められます。

最低でもTOEFLでは100点、IELTSでは7.5以上のスコアを取得しているのが望ましいです。二次試験に自信がない場合はTOEFLでは110点、IELTSでは8.0以上を取得していると非常に好ましいように感じます。

またSATやIBのように提出が任意の英語資格試験もありますが、可能である限り提出をする方が良いでしょう。

・2次試験

次に二次試験についてです。

二次試験は「小論文」そして文系は「外国語」、理系は「数学と理科」試験で構成されています。

小論文は志望する学部によって問題が異なっています。二つの問題が提示され、一つは日本語、もう一つは自身の提出した言語において回答することが求められます。

次に学力試験ですが、こちらは一般の受験生と同様の問題が出題されます。採点方式等は若干異なるそうですが、対策としては一般の受験生と同様の対策法で良いと思われます。

小論文を含めた試験問題はこちらのリンクから確認することができます(リンク)。

4.過去の入試の結果と傾向

それでは過去の入試の結果をみていきましょう。東京大学の帰国子女入試は果たしてどれくらいの入試難易度なんでしょうか?

学部

募集人数

志願者数

受験者数

合格者数

実質倍率

文科一類

若干名

11

4

4

1

文科二類

若干名

16

8

5

1.6

文科三類

若干名

17

7

5

1.4

理科一類

若干名

18

5

3

1.7

理科二類

若干名

3

3

0

-

理科三類

若干名

2

2

0

-

 一見するとまず最初に気がつくのが非常に志願者数自体が少ないことです。

 TOEFLやIELTSの資格試験において優秀な成績を収め、海外で五年以上生活し、かつ東京大学の二次試験を受験するだけの学力があるという非常に厳しい条件を満たせる受験生がそもそも少ないことが原因のように感じます。

 次に受験者ですが、ただでさえ少ない志願者からさらに半数近くに絞られます。可能性として考えられるのは、残りの志願者は第一志望の海外大学などから合格をもらい受験を辞退した可能性などが考えられます。 

 最後に実質倍率ですが、一般の受験と比べるとかなり低いことがわかります。上記に述べた厳しい受験資格をみたした上で東京大学を受験する人物はみな優秀なのかもしれませんね。

 ただし、理科二類と三類に関しては合格者が一名も出ていません。海外の高校に在籍しつつも東京大学の受験問題を対策できる人間が少ないからかもしれません。

5. まとめ

 東京大学の帰国子女入試は、海外に留学しているが日本の大学に入学したい!という志をもつ学生にとっては非常に魅力的な入試形態のように感じます

 ほとんどの方にとっては現実的ではありませんが、東京大学への入学を熱烈に希望しており、金銭的に余裕のある方は、中学校から海外の中学・高校に入学するという方法もまたひとつかもしれません。