「子供に選ばせている」は本当か?自身の子どもを小1から塾に通わせ、その記録をブログに綴り現在では教育投資ジャーナリストとして活動中の戦記氏と、アメリカ人お笑い芸人であるパックンが、親の介入と子どもの自律の微妙なバランスに切り込む後編対談。(前編記事はこちらから)
「子供は選択肢について知らない。親がすることは『こういったところがあるよ』と説明すること」と戦記氏は語る。そこには必ず「誘導」が存在するという率直な告白。しかし重要なのは「強制的な誘導」ではなく「議論をした上での誘導」だという。
一方、パックンの子育ては異なる道を歩む。「勉強しようというと逆ギレするタイプの子供」との格闘の末、「受験は義務ではない」と中学受験を断念。しかし「良い学校に進学する集団に入らないと、人生の結果が違ってくる」という現実にも直面する。
「子供を勉強好きにさせるには、やりたくなる環境を作るしかない」と戦記氏。「教育が虐待になるケースとならないケースの違いは、その子供にフィットしているかどうか」とパックン。両者の共通点は「他人を変えるより自分を変えた方が早い」という親としての柔軟性だ。
日本の教育が「個性」と「創造性」を奪っているという懸念も。「GAFAMのような企業がなぜ日本から生まれないのか」という問いから、「日本では高い能力を持った人が安全な方に流れてしまう」という課題が浮き彫りになった。
関連記事:前編記事はこちら
関連記事:戦記さんをモチーフにした漫画はこちら
親の夢を子供に託すことは是か非か
パックン: よく「親が叶えられなかった夢を子供に託す」というのがありますよね。ピアニストとかアスリートとか、まとめるとリベンジ系というか。「俺ができなかったからお前は甲子園に行け」みたいな。
戦記: 私自身が早稲田大学を卒業していますので、東大コンプレックスの解消をしようとしているみたいなことをよく言われますけど、実は我が家のケースはそうでもありませんね。巷でよく言われるのが「(中学受験参入を)子供に選ばせている」というものです。それは絶対大嘘で。だって子供は選択肢について知らないもん。
パックン: そうですよね、絶対そう。
戦記: あくまでも親がすることは「こういったところがあるよ」と説明すること。我が家も、娘と一応議論の上で選ぶという形にしています。しかしこの議論でも、どう考えても誘導してるんですよ。
パックン: 「落ちこぼれる選択肢もあるよ」とワクワクしながら言わないですよね。
戦記: 絶対に誘導してるんですけど、ただ、誘導の仕方も「強制的な誘導」なのか「ちゃんと議論をした上での誘導」なのかが大事だと思います。
例えば英語にしたって、「こういったことをやった方がこういった選択肢が開けて面白いぜ」とか。私の自分の経験からして「何歳でこれをやらなかったからパパはこうなっちゃったけど、ここやっとくと結構いいよ」とか、しっかりフィードバックした上で誘導するって感じですね。

子供を勉強好きにさせる「環境」の作り方
戦記: 特に勉強系は、押し付けるのは本源的に不可能なんですよ。「英単語暗記しろよ」って言っても暗記してくれませんから。言うだけじゃなく、やらせるって結構無理なので、やりたくなる環境を作るぐらいしかできないかなと思いますね。
パックン: 戦記さんの娘さんは、ちょうどいい性格だったと思うんですよ。パパのこのスタイルがちょうど響いたという。
教育が虐待になるケースとならないケースの違いは、その子供にフィットしてるかどうかだと思うんです。
戦記: おっしゃる通りです。なぜフィットするかというと、フィットするようにしたからです。子供の性格を見ながら。
できないことは絶対やらないし、好きなことは何かを理解した上で対応する。他人を変えるより自分を変えた方が早いじゃないですか。
パックン: そうですね。僕もいつも教訓として言うことですよ。
戦記: 他人は変えられない、親が自分をちゃんと変えた方が早い。どういうふうにしたら親子関係含めてハッピーであるかを考えて変更してる感じですね。ある程度まで押すんだけど、もう無理だったらやらなくていいとか。
「教育」が「虐待」に変わる瞬間
パックン: ただ戦記さんのケースは、自分の夢に近い形になったから、信じない方も結構いると思うんですよ。
ブログの読者の中でも「いやいや、お父さんが一流の中学校、高校、大学に入れようと思ってるから、その通りになったのは偶然じゃない」と。誘導だけじゃなくて指導・強制もしてるんじゃないかという見方もあるんですけど。
戦記: 確かに強制していないのを証明するのは難しいですよね。でも、これは本当のことなのですが、勉強しろと言ったことは今まで1回もないですね。
むしろ「早く寝なさい」の方が多い。
パックン: じゃあなんで勉強する気になったと思います?
戦記: これが問題なんですけど、よく言えば、娘は自分のためだと思っているからやっている。悪く言うと、やらないとまずいという恐怖感かもしれません。勉強しないと成績が下がってしまうという恐怖感から、勉強をやっているのかもしれない。本心はわかりませんが。
パックン: でも「成績が下がることは怖い」って思わせるのは、親として失格では?
戦記: そう思ってほしくないんです。実力を出せと。その結果どうだったかは「しょうがないじゃん」というスタンス。大事なのは「本当に実力を発揮できたのか」というところですね。

「反抗期」をどう乗り越えるか
パックン: 気になるのは、こういう大人の考えがフィットしない子供なんですよね。
実は僕の子供も勉強しようというと逆ギレするタイプなんですよ。だから結局、私立学校に入れることにしました。公教育主義者の僕も、結局はお金の力を借りることになったんです(笑)。
私が勉強するよう言っても勉強しなかったのですが、周りの子たちがしていると本人も自然にするようになったんですよね。小学生の頃に塾に通わせようとしたら、どんどん暗くなって、全然自ら進んでいかなかった。入れた塾が合わなかったのかもしれませんが、本人がすごくストレスを感じていました。
3月の早生まれなので、クラスの中ではとても小さく、『自分はバカなんだ』とすごく落ち込んで帰ってくる息子を見て、『もう中学受験はやめよう』とその日に決めました。向いている・向いていないは絶対にあるんです。それに、中学受験は義務ではないんですよ。
でも、良い学校に進学する集団、これをエリート組と呼ぶのは嫌なので、例えば『つくし組』と呼びますが、つくし組に入らないと就職先の選択肢や生涯収入などと、人生の結果がやっぱり違ってきますよね。高校受験というチャンスもありますが、それも結局は受験。学歴社会であるかぎり、『つくし組』に入ってほしいと思う親はいるでしょう。
では親はどこで圧力をかけるべきなのか、どこで指導や誘導をすべきなのか。『お前、頑張らなきゃまずいよ』と言う責任が親にあるのでしょうか?
戦記:子供の視点から見ると、家庭生活が主軸だと思うんですけど、自分の家庭環境が他と比べてどうなのかということを、子供はあまりわかっていないものです。特に家計の経済水準について。「君は将来どういう生活をしたいの?」というイメージを持ってもらうのがすごい大事だと思いますね。
パックン:僕もどちらかというとそういうタイプの人間です。ストレートに全部子供に話します。性的なことも幼稚園の頃から普通に話しますし、性器の名前なども教えています。また、世の中には殺人もあるし、麻薬依存の方もいらっしゃるし、売春というものもあるし、ギャンブルというものもある。これらのことを幼稚園の頃から全部ストレートに話しています。どこかで急にショックを受けないようにしたいんです。
『これが現実です。僕たちはすごくラッキーですが、このラッキーが保証されているわけではない』ということをよく伝えるようにしています。『君たちは親に恵まれているし、僕も親に恵まれている。すごくラッキーな家系なんだけど、だからといって甘えてはいけない。自分たちにできることをやらないと、この恵みに申し訳ない』と思うんです。それで自然と努力の必要性を見せていく。
子育てに失敗はつきもの――大切なのは「早く間違える」こと
パックン: もし娘さんが塾にフィットしない、勉強に向いてない、他の才能や魅力はあるけど学力はなかなか難しいという判断をして諦めることはありえたんですか?
戦記: ありえたと思いますよ。小学校3年生ぐらいで伸びていなかったら方針転換していた可能性が高いです。私が好きな言葉にFail Fastというものがあるのですが、早くやってみて失敗したらフィードバックをもらって直した方がはるかにいい。小学校1年生からスタートしてるので早く失敗し、早く直しただけで、その積み重ねで今があるという感じですね。
パックン: 仮に「中学受験はいいや」となった場合、何歳ぐらいでそう思った可能性が高いと思いますか?
戦記: さすがに向いてなければ分かるので「これ無理じゃん」となりますよ。遅くとも小5の夏前にはわかると思います。でも私が娘に「勉強しろ」って言ったことはないと言いましたけど、それでも勉強していないで成績も悪ければ、さすがに何か対策を考えたでしょう。
戦記: 子どもに対して「勉強しろ」と言っても子どもは絶対やらないので、それじゃなくて違う方法をためしたんじゃないと思います。苦手な科目はやらないとか、向いてるものを伸ばすとか。人生は学力だけじゃないんだということで最初からその先を見せておくとか。内発的な理由じゃないと本人は絶対勉強しません。
パックン: なるほど。僕、趣味が卓球なんですよ。愛ちゃんが泣きながら練習するのをテレビで見て、よし、うちの子もそうしようと思って卓球台買って、4、5歳からバシバシやろうと思ったのに、すぐ怒ってラケット投げつけて出て行ったんですよ。
「泣きながら頑張るタイプじゃなかったんだ。」となりましたね。
パックン:今も反省しているんですが、ちょっと押しすぎて娘は卓球嫌いになった。息子はそれなりに好きで強いんですけど、娘は結局僕の大好きなバレーボールを一緒にやるようになって、それでいいやと。
改めて親って、 教育者じゃないんですよね。教育のプロじゃないし、親としても素人。初対面の赤ちゃんと18年ぐらい付き合うことになる。初めての18歳の息子、16歳の娘と今も苦戦しながら付き合ってる。一番最初に持ってたイメージと全然違うことに気づいて、「俺を変えなきゃいけないな」と。
戦記: そうですね。
パックン:多分3ヶ月おきに思ってるんですよ。「変えたつもりなんだけど、これも違うんだな」って。教育虐待だけでなく精神的なハラスメント「親ハラ」を避けるためには、柔軟に謙虚に付き合わなきゃいけない。
戦記: 所詮他人様ですからね、子供って。妻は当然他人ですけど、子供も他人なんですよ。半分自分の遺伝子を持ってるから勘違いしがちですけど、別の人格者なので。
他人に対してどう影響を与えるかを考えないと。親だからとか関係なくて、遺伝上の親というだけで、我が子は他人なんです。
教育における「小さい失敗」の重要性
パックン: 子育てで失敗したことはありますか?
戦記: 小さい失敗はたくさんしますけど、大きなドンっていうのはないですね。
パックン: すごいですね。娘さんから文句言われたことは?
戦記: 文句言われたことはありますけど、小さい文句なので、噴火して親子関係が修復不可能みたいな大事故にはなってないですね。早く間違えるのが大好きなので。例えばある塾に申し込んで「いいんじゃない?」と提案したんですけど、1回行って「もうやめたい」と。
パックン: 本当に1回で?
戦記: 雰囲気が違った。英語のクラスに行ったら、全然レベルが高くなくて意味ないなと。
パックン: それ失敗って言わないな、レベルが低い塾が失敗してるという話じゃん(笑)。
戦記: まあその見方もできますが、10万円払ったので痛いですね(笑)。娘から「やめたい」と言われて、「わかった、ごめん、良かれと思ったんだけど嫌だったらやめていいから」と。経済的には痛いですけど、日常的にちゃんと会話ができていれば、大きな失敗が起きる前にお互い気づいて、そこでちゃんと進路修正をします。
パックン: 大学までいっても大丈夫そうですか?例えば遠くの大学に行って、パパがいつも手厚く面倒を見てくれた安心感もなくなった状態で、一人で奮闘できそう?
戦記: できますね。もっと言うと、中学受験までは結構伴走しましたけど、中学2年生ぐらいから伴走というより僕はいるだけで、あまり内容にタッチしていません。数学とかでも本人は自立していますし。もし僕が今日死んじゃったとしても、多分娘はあまり困らないと思います。
パックン: 悲しみはするけど、困らない?
戦記: そう。それが理由になって彼女自身の人生がダメになるわけではないぐらいには、しっかりと鍛えたかなと。私はお金の話も娘には結構早くしていて、現実世界の年収とか金融資産とか。
娘に投資もさせてます。娘は自分の証券口座を中1で開設して、お小遣いで運用しています。最初は100万円でGAFAMに投資して、しばらくは含み損を経験しましたが、最後には利益確定することができました。最近はS&P500で運用していて、先週までは順調だったんですけど、トランプ就任前後でちょっと変動があった。でも大丈夫、まだプラスです。
戦記: 娘は、自分の中学高校大学の学費である1600万円も、自分で運用しています。株式投資により配当金を得ながら、その配当金で塾(鉄緑会)に行くという構造を作っています。自分の塾代がいくらなのか、投資ポジションがいくらなのか、気にするようになりますよね。世界経済が上向けば自分の配当金も増える。経済リテラシーを含めて育てたいので、そういう教育をしています。

日本の教育が「個性」と「創造性」を奪っている?
パックン: 日本の教育全体に対する疑問があるんですね。確かに試験でめっちゃいい点数取る。日本の教育のいいところは集団生活もできるようになって、倫理観がすごくしっかり身につく。こんな治安のいい秩序のいい国ないから、それは絶対失いたくない。でもGAFAMみたいなものがなぜ生まれないのか。世界的な映画が生まれないのか、音楽が生まれないのか。1億人以上いるこの国は、もう少し存在感があってもいいと思うんです。
パックン: もしかしたら日本の教育は国民のある程度の可能性を制限しているかもしれない。塾に通って試験で求められている答えは出せる。大学に通って就職活動で採用側が求めているものに応えることができる。でも全世界の皆さんが求めているものに気づいて初めて生み出す力が、30、40年前にあったのに今ないような日本になってるかもしれない。
戦記: それは確実に言えますね。日本は才能を拾うような教育、経済じゃないんですよね。同じようなことをみんながやる。尖ったものを拾うということをしてないので、プロダクトや表現において尖ったものが芽が出ない。それは国としてやってないんだろうなと思います。
パックン: その辺も心配ないですか?自分が自ら娘をいい社員製造ラインにはめ込んだと思って。
戦記: 最近の世の中の傾向としては、いい社員製造じゃなくて、いい医者ラインですかね(笑)。東大受験か医学部受験かというぐらい、医師免許の価値が上がっちゃった。なぜかというと、学力だけ頑張っても日本経済の見通しが暗い。親世代がサラリーマンとしてどんなに成功してもこんなもんだった。やっぱり起業するしかない。でも起業は別の能力がいる。学力の延長線上にあるのは医師免許だからという理由で医学部の人気があります。
戦記: 日本では高い能力を持った人が安全な方に流れていっちゃう。もったいない気がしますね。
パックン: アメリカってどうなんですかね。
戦記: アメリカはGAFAMもそうですけど、超エリートの人が中退して会社を作るケースが多い。
パックン: 自らエリートコースから脱出する?
戦記: そこまで才能が認められて、いい大学に入れたり、いい高校に入れたりしてるんですけど、結局は才能を押しつぶされてないから爆発すると思うんですよね。大した大学を出てない人も超億万長者になったりしている。コンピューターサイエンスを一生懸命勉強したSTEMの優秀な人たちが支えてくれてるけど、本当にクリエイティブ系はいい大学に行ってなかったり、行ったとしてもクリエイティビティを求められて入ってるから、その才能がさらに引き出されている。
パックン: アメリカの真似をしろとは思わないですよ。Fortune 500のCEOでインド人が多分500社中10社ぐらいある。他の移民も結構いる。エリート、特に医者とかは移民が3、4割近くいる。つまり、自国の自力だけで成り立っていないわけ。難しい勉強はアメリカ人が怠けてるか甘えてるか面倒くさがってるのか、やらないことになってる人も多い。「そんな面倒くさいこと」「STEMなんか勉強しない」と。難しいから諦める人も多すぎると思う。でも教え込んだものを吐き出してもらうだけじゃなく、アメリカの教育は主体性、創造性、オリジナリティが重視される。デジタルを使っても違う何かを作り出そうという考え方が素敵だなと思うんです。
戦記: 日本はペーパーテストで「いかに書くか」を重視します。エッセイもそう。でも「オリジナリティをどう表現すればいいか」については、全体として苦手なのかなという気がします。ただアメリカは移民を中心としていろんな優秀な層を引っ張ってこれるのは、共通言語が英語だからこそ。いろんな違う価値観の人が来て仕事ができる状況になっています。日本は日本語バリアが高すぎて、ダイバーシティを確保できないという点はあるのかなと思います。
パックン: 過激な質問かもしれないですけど、日本のその一流教育を受けさせただけで「虐待」かもしれないという見方は?
戦記: おっしゃる通りですね。世界を見渡すと本来はいろんなチャンスがある中で、日本を選んだ瞬間に実は可能性を潰している可能性はある。親がそれを認識していればまだ良いのかな。と思います。本当は違う可能性があったかもしれない、と想像することは大事な思考トレーニングになります。娘が生まれたのは2009年なのですが、当時妻が出産する場所をアメリカか日本か選択する分かれ道があり、色々考えて日本にしたのですけど、本当にそれで良かったんだろうかという思いはありますね。
パックン: ありますね。私も娘をインターナショナルスクールに入れたんですけど、3年生から。そうすると母国語が日本語じゃなくなってるんですよ。もともとは日本語だったのに、今は漢字読めなくはないけど面倒くさいらしくて、日本のコンテンツはあまり消費しない。
パックン: これも虐待だと言われたらそうかもしれない。自分が住んでる国の母国語がままならないって。自分の居場所がなくなるかもしれない。まだ本人はそう感じてないみたいですけど、大きくなったら「私の母国はどこ?」となるかもしれない。アメリカのスクールでもなく、インターナショナルスクールだから、アメリカ人でもないし、インド人でもないし、韓国人でもないし、「私は何者?」と思う日が来るかもしれない。
戦記: なるほど、これもプチ虐待かもしれないですね。何かを取るときに何かを犠牲にしなきゃいけないという、この二択の残酷さ。トレードオフは絶対発生します。英語か日本語か、時間は1日に24時間しかないから。どちらを取るか、理由も当然大事だし、全部手に入れるのは不可能。どういうふうに選択して、どういうふうになりたいのかをちゃんと決めてやらないと、あとで振り返ると「漠然と時間が過ぎちゃった」ということになる。
戦記: ただ虐待というと、子供に「これしかない」とやらせてしまうことは回避したいですね。いろいろあるけど「選ぶのは君、最後は君だからね」と伝えて、ある程度誘導する場合にも親たちは「こっちがいいと思うけど、最後はいろんなフィットするものもあるから」と選択肢のバラエティを示した上でちゃんと議論をして、子供がなるべく自主的にやるという形が一番美しい絵なのかなと思います。
パックン: それを数年前からやってるんですか?
戦記: はい、「やめたいならやめていい」と。娘が通う学校も結構厳しいんですけど、やめたいならやめていい、違う学校も全然行けるし、違う人生も全然行ける、あなたが決めていいからと。それを任せる勇気は大事なのですが、本当に間違った方向に行った時はどうしようとヒヤヒヤしますよね(笑)。
パックン: 「本当にこれやるの?」「やらないの?」と(笑)。夫婦喧嘩のときに「離婚していいからね」という感じですよね。
戦記: そうそう(笑)。でも選択肢は絶対あるので。結婚するか離婚するかもそうだし、この学校に行くか別の学校に行くかもそう。うまくいかなかった時に視野が狭くなってしまうとよくないので、ちゃんと広い世界を見た上で「さあ、次どうする?」と考えなきゃいけない。
戦記: 私はなぜ情報発信してるかというと、今の日本には都市部と地方の教育機会格差の問題があると思うんです。先頭集団や成績上位層は、情報発信する意味が全くありません。情報発信すればするほど自分が相対的に不利になりますから、勉強方法とか教材の選び方とか。
でも偏差値に代表される縦の格差と、横の格差、すなわち東京と地方という格差を考えた時に、娘の場合、今のところたまたま成績が良いから具体的に何をしているのかという情報を発信した方が、地方の中学生や高校生は見ようと思えば見れますので参考になると思います。「この子はこういう立ち位置でこういう学習をしてきた」と。こういう動きが、教育機会格差の緩和に貢献すると考えています。
私の場合、新卒で入社した三井物産にて「国益のために人生の時間を使え」という教育を受けているので、信念をもって情報発信をしています。
見たことで絶望するかもしれないけど、そのような反応にしても長い人生では学びとなるので、私としては情報発信をして東京と地方の教育機会格差を減らしたいと考えています。
パックン: 親も子が産まれて初めて親になるし、子供も初めて子供になる。いろんな選択肢、いろんな情報、いろんな考え方、いろんな指導も全部受けて、受け流すものは受け流して、受け止めるものは受け止めて、自分の育て方と育ち方を自ら探してほしいなと思いますね。





.png&w=3840&q=75)

.png&w=3840&q=75)
.png&w=3840&q=75)






.png&w=828&q=75)
.png&w=828&q=75)
