1日10時間以上勉強したら、あなたは学年のうち、上位何%に入れると思いますか?

10%でしょうか、20%でしょうか。

ある人は、実際に10時間勉強したのに、学年最下位を取り続けていました。

この人を「地頭が悪い」とバカにする人もいるかもしれません。

ですが、いまでは推薦入試で早稲田大学社会科学部に進学し、若者の「好き」を応援するためのメディア運営やサークル設立を行っている人がいます。

それが今回取材させていただいた有賀心咲さんです。
どん底から駆け上がっていく有賀さんの勝利のヒストリーについて今回は密着していきます!!!

彼女の幼少期

「小・中学生の頃は、1日10時間勉強しても学年最下位で、“勉強できない子”の代表みたいな存在でした」

と有賀さんは自分の過去を笑いながら語ります。高校に進学できるかすらも怪しかったそう、、。それでも彼女は諦めませんでした。成績上位の友人の勉強法を徹底的に真似し、結果が出るまでコツコツと継続。中学3年生の後半には、学年上位に名を連ねるまでに。

「“できない”を“できる”に変える日々でした。結果が出るのは遅かったけど、諦めなくて本当によかった」

日々課題に直面しながら奮闘。当時の彼女はクラスではお調子者キャラで、学級委員に立候補しても落選続き。みんなを引っ張るようなタイプではありませんでしたが、持ち前の負けず嫌いな性格で、自分にできることをひたすら積み重ねていったのです。

「これが高校生活…?」目標を失った日々

中学校での努力のおかげで、いわゆる「勝ち組」の人生を歩み始めた有賀さん。
学校生活にも余裕が出てきていたため、高校生活に強い充足感を求めていました。
高校入学前に描いていたのは、部活に熱中し、友人と語らい、勉強にも打ち込む、忙しくも充実した毎日。

しかし、現実は違っていました。
初めての定期テストで学年1位を獲得するも、目標を達成したことへの喜びよりも、「これから何を目指せばいいんだろう」という虚無感が心を支配したといいます。

「中学では、がむしゃらに勉強してきました。だけど、高校で成績トップを取ったその瞬間に、次に何をすればいいのかわからなくなったんです」

さらに、部活にも馴染めず、日々は空虚に流れていきました。周囲に友人がいても、心のどこかで「自分はこのままでいいのか」と自問する日々が続きました。

人生を変えたのは、たった一度の“出会い”

そんな様子を見かねた担任の先生が、学校外のディスカッションイベントに誘ってくれました。
そこでは、全国から集まった高校生たちが、社会課題について堂々と語り合っていたのです。

「世界って、こんなに広かったんだ…」
「自分が知っていたのは、狭くて閉じた世界だったんだ…」

有賀さんは、ショックと同時に、強烈な使命感を覚えました。

「この出会いで、私は“これが私の役割なんだ”って思えたんです。まるで人生の意味に気づいたような感覚でした」

と有賀さんは語ります。

学校に“風”を通す改革者としての一歩

有賀さんは、生徒自治会長として50人超の組織を改革。
「1on1面談」や「白い紙制度」を導入し、声の届く生徒会をつくりました。

さらに、山梨県の事業で「生理貧困」ワークショップを小学校で実施。
高校生議会では制服の選択制導入(スラックスや男子用セーター)を実現。

また、イベントを通じて知り合った大学生から誘われて入った「大隈塾U18」では高校生の立場で1学年200人向けキャリアワークショップを企画・運営。
「進路の多様性を伝えたい」という思いから、早稲田大学の学生と協働し、イベントを成功に導きました。

学生団体UniVisitで、高校生に光を

進路イベントでUniVisit大学生代表と出会った有賀さんは、ある問いで意気投合します。

「高校生の進路選択って、本当に自分の意思で選べてるんだろうか?」

偏差値、指定校、イメージだけの大学選び――。
“知りうる世界が狭すぎる”という違和感を共有した2人は、進路に悩む高校生にもっとリアルな情報と出会いの場を届けたいと考え、活動が止まりかけていた学生団体UniVisit(ユニビジット)の再建に乗り出しました。

UniVisitは、早稲田大学の学生を中心に設立された団体で、
「高校生と大学生をつなぐ架け橋になること」をミッションに、以下のような活動を展開しています。

・現役大学生による進路相談イベントの開催(オンライン・対面)
・高校生と大学生が自由に交流できるSlackコミュニティ「U-Community」の運営
・留学やキャリアに関するセミナーの実施

有賀さんは高校生代表として再建に関わり、特に地域の進路格差に課題意識を持って、山梨での活動をスタートさせました。

教育委員会に「高校生の声」を届けた日

地元で進路イベントを開催するため、有賀さんは一人、県の教育委員会にアポイントを取り、協力を求めに行きます。

「私は、進路に悩む“当事者”としてこの環境を変えたい。
山梨の高校生にも、大学生とリアルにつながれる機会を作りたいんです」

そう真っ直ぐに伝えた有賀さんの提言に、委員会の担当者も耳を傾けました。
“高校生が高校生のために動く”という行動力そのものが、教育の現場にとって新鮮だったのです。

1回目:山梨開催の反響と手応え

有賀さんの熱意は地域に伝播。
県内企業5社からの後援を獲得し、山梨県議会議員もゲストスピーカーとして登壇するなど、共感の輪が広がり、協力してくれる人も現れました。

イベント後のアンケートでは、参加した高校生から

「普段関われない全国の大学生と話せて視野が広がった」
「初めて本気で進路と向き合えた」

といったポジティブな声が多数寄せられ、イベントの意義と手応えを実感できる機会となりました。

2回目:渋谷QWSで“進学の意義”を問う

次に挑戦したのは、東京・渋谷QWSでのイベント。
テーマは、

「大学進学の必要性とは?〜固定概念にとらわれず、唯一無二の未来を探す〜」

なんとこの企画に、スタディサプリを生み出したリクルートのAI研究所所長・小宮山理絵子さんや、NTTドコモ「ドコモ働く部」部長・山本氏など、アントレプレナー教育の第一線で活躍する豪華ゲストたちが共鳴し、登壇が実現。

さらに、早稲田大学の教授からも研究費支援を受け、会場費・ゲスト費用を大学の研究室が負担。高校生主体のイベントとしては異例の規模感での開催となりました。

当日は50人近くが参加。
「こんな仲間に出会えるとは思わなかった」
「マインドが変わった」
などの声が寄せられ、高校生でありながら企画責任者を務め上げた有賀さんの姿勢も、多くの参加者に刺激を与えました。

「“当たり前”を疑うところから、人生は動き出す。 高校生にとって、そういう場がもっと必要なんです」

UniVisitでの活動は、有賀さんにとって「違和感」を「行動」に変える具体的な舞台でした。
そしてこの経験が、彼女の進路への信念と実践力を、より一層確かなものにしていったのです。

まとめ:違和感に正直に、世界とつながる力

かつては、どれだけ努力しても報われなかった。でも有賀さんは、やめなかった。地道な努力を重ね、少しずつ結果を出し、見える世界を広げていったのです。

その後も「地方だからできない」とあきらめるのではなく、「地方だからこそ挑む価値がある」と信じ、ネットやSNSを活用しながら、自らチャンスをつかみにいきました。専門家がいなくても、イベントがなくても、動き続けた先で仲間と出会い、可能性が広がっていったのです。

そんな彼女が一番大切にしているのは、「自分の違和感に正直であること」。
高校生活に感じた虚無感も、モヤモヤも、目を背けなかったからこそ、今の彼女があります。

自分の心に湧いた「何かがおかしい」「このままでいいのか」という声を見逃さず、動き出すこと。
その小さな行動が、世界を変える一歩になる。
有賀さんの物語は、そんな時代の希望を教えてくれます。