近年、総合型選抜入試は私学を中心に広がりを見せている。
受験生の中には、一般ではなく「推薦で早慶を狙いたい!」という人も多くいるだろう。
総合型選抜入試は、入試というよりは就活に近いという特徴がある。
総合型選抜入試(旧AO入試)は、出願書類や面接、小論文などの試験を通して大学・学部が求める学生像(アドミッションポリシー)に一致する受験生を選抜する入学試験で、高校の校長の推薦を必要とせず、自薦で受けられることが特徴だ。
その出願の際に、志望理由書や資格証明の提出が求められるほか、面接でも入学後に学びたいことを聞かれるなど、企業の就職活動のようなプロセスを踏むことになる。
出願自体は誰でもできるものの、志向性などのマッチングがなければ不合格となってしまう、万が一合格しても入学後にミスマッチで苦しむだろう。
そこで今回は、推薦入試を狙う場合、タイプ別に分類して早慶どちらが狙い目かを検討していきたいと思う。
早稲田大学の推薦入試方式
まず、早稲田大学の推薦入試方式は主に下記の通りだ。
※今回は帰国生向けや指定校、スポーツ推薦等は省いて考えるものとする。
地域探究・貢献入試:法学部、教育学部、文化構想学部、文学部、人間科学部、スポーツ科学部
全国自己推薦入試:社会科学部
早稲田建築AO入試:創造理工学部
先進理工学部特別選抜入試:先進理工学部
続いて、慶應義塾大学の推薦入試方式を見ていこう。
※こちらも今回は帰国生向けや指定校、スポーツ推薦等は省いて考えるものとする。
慶應義塾大学の推薦入試方式
自主応募制による推薦入学者選考:文学部
FIT入試:法学部
AO入試:理工学部、総合政策学部、環境情報学部、医療看護学部
特別なスキルの無い受験生が誰でも出願を検討できるものとしては、これらが挙げられる。
続いて、今回の本題であるどのような受験生にどの方式、学部が向いているかについて考えていきたいと思う。
適性別・こんなあなたにはこの学部!
① 地方から上京し東京で一旗上げたい受験生
今や1都3県からの入学者が6~7割程度を占める両校だが、そんな一極集中トレンドの中であっても、地方から上京し東京で一旗揚げたいと考える熱い者たちがいる。
そんな野望をお持ちの方は早稲田大学の「地域探究・貢献入試」がおすすめだ。
もちろん慶應義塾大学のSFCも視野に入れてもいいが、校風として地方出身者に優しいのは間違いなく早稲田大学だ。また、この入試方式は明確に地方の高校生をターゲットにしたものである。
要項には「これまで取り組んできた地域での活動や経験、問題意識等を踏まえて、本学において主体的に学び、その成果を地域に還元する意欲を丁寧に評価します」とあるように、首都圏出身ではない地方の生徒が各々の環境の中で感じたことに対する課題解決意欲を評価してくれる。今、地方の高校生が感じているかもしれない、自分の地元に対する閉塞感や東京への憧れのようなものをエネルギーに変え、それを研究内容として落とし込むことができれば十分合格可能性がある。
法学部や文化構想学部、文学部、人間科学部、スポーツ科学部、教育学部の一部で募集をしているが、各学部で学べる内容と照らし合わせてどのように自分の課題感と繋げるかを考えるのは、その後の就職活動などでもいきてくるスキルとなるだろう。
② 我が道をいく異端児
地元の中で、何かに熱中し結果を残し、その上で学内成績が一定以上であれば、それだけで一目置かれる存在となるだろう。しかしそのような環境に閉塞感を感じ、地元を出たいという思いに繋がることもあるかもしれない。
そんな方には、早稲田大学社会科学部 全国自己推薦入試がオススメだ。
この方式は全国7つのブロックに分け、各地域ブロックから5名程度の合格者を出す方式であり、人口の少ない地域ほどチャンスがあるかもしれない。
要項には下記のようにある。
「学芸系またはスポーツ系クラブなどに所属し、都道府県以上の大会・コンクール・展覧会などにおいて優秀な成績を収めた者」
「生徒会活動において、めざましい活躍をした者」
「資格(語学検定や財務・会計資格など)を有する者」
「その他、学校外での諸活動(クラブ活動、ボランティア活動など)において、めざましい活躍をした者」
・英語外部検定試験の基準点を満たすスコアを提出できる者
(実用英語技能検定(CSE スコア):1,950以上、TEAP:225以上、GTEC CBT:930以上、TOEFL iBT:42以上、IELTS:4.0以上、TOEIC L & R / TOEIC S & W:1,150以上)
要は何らかの活動で秀でた実績があれば、ということだが例えば競技人口の少ないマイナー競技であれば実際の難易度以上のアピールに繋がるかもしれない。
また、筆者の出身でもある社会科学部だが、必修科目が少なく単位取得のハードルも比較的緩く、興味分野があるのであればそれに熱中しやすい環境となっている。そのため、学生たちは単位取得のための勉強に追われることなく、サークル活動や部活動、中には学生起業や休学して世界を回るなど、自分が学生時代に力を注ぎたいことに集中できる環境がある。どのような学生でも受け入れる風土のある本学部は、地元で秀でていた異端児をも受け入れる度量を持っていると言えるだろう。
③ 帰国子女・コミュ力自慢の社会活動家系受験生
留学経験などによって国際的な問題意識を持っており、すでに明確にやりたいことが決まっている学生は慶應義塾大学のAO方式で、総合政策学部、環境情報学部を狙うのがオススメだ。
いわゆる慶應SFCだが、日本で初めてAO入試を導入した学部で、多くの起業家や論客を輩出している。そんな本学部は明確にやりたいことが決まっている人が多い印象で、広告をデザインや自作ロボットの販売、部活動、企業などジャンル問わず在学中から活躍する人材が多い。
確かに、キャンパスも日吉、三田と比べ随分と辺鄙な場所にあるため、ただ遊びたいのであれば本学部はオススメできないだろう。
授業内容でも、「ネットワーク産業論」という授業では、過去にはホリエモンやメンタリストDaiGo、ディスカバリーチャンネルのCEOがゲストとして登場したことがあったり、「総合政策学」という総合政策学部生 全員必修の授業ではソフトバンクモバイル株式会社を設立した元CEOがゲストとして登場するなど、社会に新たな価値提供をできる人材の育成に余念がない。
また日本の大学としては珍しく大学1年時から研究室に入ることができるので、早期から自分の研究したい分野に取り組むことが可能だ。留学生も学部内に150名程度在籍しており、学際的な雰囲気から日本と海外の文化の違いに悩むことも少なくて済むだろう。
自体も評定平均などの要件はなく、18歳で知識があるわけでもないため、「どういったマイストーリーを作れるか」を問うという。世の中を動かしていくのは、限られた情報の中でマイストーリーを作って、実践していく人。それができるかどうかを、AO入試では見ているという。
自分のやりたいことを追求できる環境を求める意識高い系陽キャの方にはこれ以上無い環境だろう。
このように、同じ推薦入試といえど内情はさまざまであり、一般入試の偏差値のようなわかりやすい指標はない。各々の適性を見て出願・対策をしないと、たちまちお祈りを食らってしまうことになる。
私大最高峰を推薦で志す受験生は、「早稲田vs慶應」という軸以上に、自分が最大限輝ける場所(入試方式・学部)はどこなのかということを念頭に置いて、対策を進めていってほしい。
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