「リアルな志望理由書大公開!」では、実際に提出された志望理由書を読んで、どんなポイントがだいウケているのかについてまとめる記事連載です。

 今回は、実際に「中央大学法学部政治学科」に提出された志望理由書の一部を紹介したいと思います。 

 抜粋するのは、「大学でどんなことを学びたいか」を問う項目です。多くの受験生が、「何となく学びたい分野はあるけど、具体的なイメージは湧いていない」という状態で、学びの将来像を具体化することが難しいという声もよく聞かれます。 

 大学側は「この受験生はうちの大学で何を学びたいのか?」「入学後、どのような研究活動をしていくのか?」という将来像をつかむことで、この受験生は本当にその大学・学部とマッチしているのかを見極めてきます。そのため、ぼんやりとした考えのまま志望理由書に書いてしまうと、大学側に十分な意欲や計画性が伝わりにくく高い評価を得にくくなってしまいます。 

 では、先輩方はどのように回答していたのでしょうか?実際の志望理由書を見てみましょう。

中央大学法学部政治学科 志望理由書

 Q「私の夢」を実現するために、中央大学法学部で何を学び、どんな学生生活を送りたいと考えているか、実現可能性に留意して具体的に説明してください。

 私は、団体と政府がタッグを組むことで団体の活動を推進させ、難民移民政策にアプローチできる社会にしたい。これを実現するためには中央大学法学部政治学科での幅広い教養と深い専門的知識を身に着ける学びが必要不可欠である。まず1、2年次に北村泰三教授の元で国際的な視野から日本の難民受け入れ状況が抱える問題、そしてその改善するための法的、政策的な取り組みについて学びたい。そして3、4年次にNPO・NGO論の授業にて全国的に有名な認定NPO法人などでリーダーを務める方をゲスト講師として招くこの講義で積極的に発言してNPO、NGO、NPIの理念、現場の事情などについて理解したい。また在学中に自身が代表を務めているNGO団体をNPO法人化するために講義で学んだことを活かして、NPO法人の理念などを見直しより良いものにしたい。更にニックス・マイケル教授のゼミに参加し、難民や移民などのマイノリティ化されてきた人々の差別問題、貧困問題について研究を行いたい。私はマイノリティを含めた文化を尊重し、共生できる社会を目指しているので、平等を推し進める活動を行いたい。また、このゼミに参加することで中央大学の学生、他団体からの学生との交流ができるので様々なバックグラウンドを持つ学生と共に学びイベントを開催したい。私が代表を務めているNGO団体が主催するイベントには国際問題に関心を持つ高校生が多く参加していたことから本ゼミの学生とNGO団体による共同開催のイベントを企画したいと考えている。そして国際問題に関心がある高校生と大学生が交流できる学びの場を提供したい。

 課外活動としては貴学法学部独自のプログラム、国際インターンシップに参加したい。このプログラムでスイスのIOLを訪問して日本における移民の劣悪な労働環境についてと、その解決策について研究を行いたい。その他にも外務省で民間援助連携室に勤務している方にインタビューを行い、日本のNGO、NPOと政府の関係性についてより深く学びたい。

 これまで私は難民問題解決に貢献する為にNGO団体を設立して、イベントを開催して行動してきた。私は中央大学の伝統的な建学の精神に共感し、中央大学に入学して更に「行動する知性」を養いたいと考えている。卒業後は外務省の民間援助連携室に勤務したいと考えている。そしてNPO、NGO団体が政策を提案して声が通りやすい社会にしたい。以上により私は貴学を強く志望している。

 いかがでしょうか?それでは、ポイントを見ていきましょう。

ポイント1 それぞれの年次でどんなことをしたいか、具体的に書く

 この志望理由書では、まず冒頭で「大学生活全体を通じてどんな力を身につけたいのか」を明示した後、それを達成するための計画が年次ごとに詳しく述べられています。
「1、2年次に北村泰三教授の元で国際的な視野から日本の難民受け入れ状況が抱える問題、そしてその改善するための法的、政策的な取り組みについて学びたい。」
「そして3、4年次にNPO・NGO論の授業にて全国的に有名な認定NPO法人などでリーダーを務める方をゲスト講師として招くこの講義で積極的に発言してNPO、NGO、NPIの理念、現場の事情などについて理解したい。」
という具体的な学びの目標が設定されています。さらに、その先には、「外務省の民間援助連携室に勤務したい」という卒業後の展望まで示されており、一貫した人物像が示されています。

 大学で学びたいことを年次ごとに示すことで、「講義で学んだ知識を応用しながら、段階的に成長を重ねていく」というストーリーが描かれており、単なる理想論ではなく、現実的な学びのビジョンを持っていることが伝わる文章になっています。大学側にも、「この受験生はしっかりと将来設計を考えた上で志望している」と受け取ってもらいやすくなります。

ポイント2 その大学・学部でしかできないことをアピールする

 次に注目したいのが、「課外活動としては貴学法学部独自のプログラム、国際インターンシップに参加したい。」という箇所です。ここでは、単に「国際的な活動をしたい」という漠然とした希望ではなく、「貴学法学部のプログラムに魅力を感じている」と具体的に述べています。

 大学側としては、志望理由書で「どこでもできるような活動」を書かれてしまうと、「それって他の大学でもできるんじゃないの?」「本当にうちの大学で学びたいのだろうか?」と入学に対する意欲に疑いが生じかねません。そこで、その大学特有のプログラムを明記することで、「自分はこの大学にしかない学びの機会を求めているんだ」という強い意志を示すことができます。 

 さらに、プログラム名を具体的に挙げることで、下調べをしっかりと行っていることもアピールできます。受験生としての真摯な姿勢が伝わり、大学側に好印象を与えることができるでしょう。

 

ポイント3 具体的な教授・先生の名前を書いておく 

 この志望理由書で最も特徴的なのは、「北村泰三教授の元で」「ニックス マイケル教授のゼミに参加し」と、具体的な教授・先生の名前を挙げているところです。実はこれ、非常に有効なテクニックなのです。教授・先生の名前を書くことで、自分の入学後の学び方というものについて、なんとなく適当に想像して書いているのではなく、具体的な方法を考えているんだということが伝わります。

 大学側は、自分の研究分野や教育方針に興味を持ってくれる学生を歓迎します。そのため、教授の名前を挙げることで、「自分はこの教授の講義を受けたい」「このゼミの研究に興味があるんだ」というアピールポイントを示すことができます。また、ポイント②と同様、きちんと下調べをして入試に臨んでいるという評価にもつながります。

 さらに言えば、その大学・学文の先生の名前を挙げているのですから、もしかしたらその先生が面接官としてあなたの面接をしに来るかもしれません。そうなった場合、志望理由書に名前を挙げておいたことが面接での話題作りになる可能性があります。

 いかがでしょうか?以上の3ポイントを踏まえて、自分がその大学・学科で何を学びたいのか、明確に伝わる志望理由書を書きましょう!