日本では近年、終身雇用の崩壊や先行きの見えない情勢の中で資格や専門的な技術を用いて、いつどこでもある程度稼ぐ事ができる、いわゆる「ノマド」的な働き方が勢いを増している。
その中でも最も安定して高い稼ぎを得られ、社会的な信用も勝ち得る事ができるのは三大国家資格と言われる「司法試験」「公認会計士試験」「医師国家試験」の3つだろう。
このうち、前者2つはどのような学部学科を出ていてもなる事が制度上は可能だが、医師国家試験については医学部医学科を卒業することが必須条件となっており、逆に言えば18歳時点の試験の結果で将来の保証を得られる唯一の資格と言っても良い。
そこで今日は、我が子にはどんな道に進んでも良いが将来への保証は確保しておきたいと考える方々向けに、偏差値のわりに医学部に多くの生徒を輩出する中高一貫進学校3選をお送りしたいと思う。
①茨城県No.1私立校!厳しい管理教育で東大5名国立医学部医学科15名合格
東大・医学部に入りやすい中高一貫校その1は、江戸川学園取手中高である。
茨城県取手市に所在する共学の一貫校だ。2014年には小学校も開校され、小中高一貫教育を提供する。
本校の所在地は茨城県取手市であるが、JR常磐線の多くの便で終点となっており、東京駅から47分程度で到着可能だ。さらに、東京のベッドタウンとして機能する千葉県柏市、松戸市などのいわゆる東葛地区には中学受験で入学可能な有名校が少ないことも手伝い、千葉県、東京都東部からの通学者も多数だ。
進学実績を見てみても、東大や早慶MARCHなど都内の大学への進学者が多く、実際筆者が早稲田大学に在学していた頃の本校卒業生も常磐線やつくばエクスプレスで通学していた。
そんな本校だが、2024年度の進学実績を見てみると、東大5名、国公立医学部15名、私立医学部46名の合格者を出している。
中学のSAPIX偏差値が48であることを考えると、近隣に格上の進学校がない影響もあるだろうが、入口の難易度の割には立派な実績を残していると言えるだろう。
教育体制としては、中学の段階から「医科ジュニアコース」「東大ジュニアコース」を設置している。
中学の段階から医学部や東大を目指す教育を行っており、茨城県では高校受験においては近隣の土浦第一高校や水戸水戸第一高校といった公立進学校が勢力を保っていることもあり、中学時代からこのように高みを目指し努力してきた生徒が実績を引っ張っている。
高校においては学科内に「東大コース」「医科コース」が設けられており、志望校にあったカリキュラムのもとで少人数体制で授業が進められる。
その中でも「医科コース」は、生徒の「医師への憧れ」から「医師になるという決意」に変えていく取り組みが多く行われている。例えば、医科ジュニアコースでは月1回の現役医師による「医科講話」、筑波大学病院や国際医療福祉大学を訪ねる「見学ツアー」、東京医科歯科大学の医学科長を招いた講演会などの「イベント教育」を実施。医師という職業への理解を深めることへ注力している。
その上で高校では、学年の枠を超えた週1コマの「メディカルサイエンス」という授業を設置し、科学実験のほか、医学部入試を意識した面接対策、集団討論対策、小論文対策も行われるなど、医学部進学へ向けた具体的なサポートを行なっている。
ただ、非常に校則が厳しいことで知られ、なかでも恋愛禁止など他校ではあまり見られない規則もある本校だが、それも医学部進学が叶えば元を取れるといったものだろう。
ちなみに、本校は制服が緑でダサいということでも有名で、緑にちなんで本校生徒は地元では「バッタ」と呼ばれているが、本校で医学部を目指し勉強一色の真緑な6年間に身を捧げてみるのはどうだろう。
②挨拶は「ごきげんよう」の伝統女子校は医学部進学でも強い!昨年は東京大学3名、国公立医学部9名、私立医学部66名!
東大・医学部に入りやすい中高一貫校その2は、白百合学園中高である。
「ごきげんよう」という令和の日本ではおよそ聞くことのない挨拶がトレードマークの有名お嬢様女子校だ。
千代田区九段北に校舎を構える本校は明治時代からの歴史を持つ伝統校であり、幼稚園から小中高大と一貫教育を提供している。
紺地に白のセーラー服も有名な本校は根強い人気を誇り、祖母の代から一族で白百合という一家も多く存在するほどに卒業生から愛される学校である。
そんな本校の2024年度の進学実績を見てみると、卒業生166名に対して東京大学3名、国公立医学部9名、私立医学部66名の合格者を出している。ちなみに2022年には東大理三合格者も出ている。
東大や国立医学部の合格実績は目立つところではないが、私大の医学部が非常に多いという特徴がある。
これはサピックス偏差値で53程度の入り口難易度と考えると際立ったものと言えるだろう。
裕福な家庭の子女が多く、医師家庭の学生も一定数いるというのは間違いなく影響しているが、本校のキャリア指導はしっかりとしたものだ。
前提として本校の誉は進学実績という数字指標で現れるものではないため、いわゆる課題を多く課して少しでも偏差値の高い大学に・・・という教育はなされない。
しかし、社会に貢献できる女性を輩出するべく、系列校との連携やワークショップによる仕事体験など、自身がどのような形で社会に貢献していきたいかのヒントを多く提供してくれ、その上でどのような道を目指すとなったとしても生きるであろう小論文テストやGTECが実施され、推薦選抜や外部英語資格試験の準備も学校主体で行ってくれる。
受験界隈で名高いわけではないが、自身で世の中に貢献できる道を探り、それが医師となることも珍しくない。
お子さんに医学部に進学してほしい親御さんにとってオススメの学校の一つである。
③兵庫県屈指の名門!スパルタ教育で名を馳せ医学部多数輩出も近年は緩和傾向か
東大・医学部に入りやすい中高一貫校その3は白陵中高である。
兵庫県西部高砂市に位置する共学の中高一貫校で、メインは中学受験だが高校からも若干名の入学者がある。
交通的な視点では京阪神から距離があり立地的には恵まれていないが、近隣に優秀な中高一貫校がないことも要素として加わり、地元の優秀層の受け皿となっているため、入口の難易度より出口の実績の方が高い印象である。
また、近隣に超難関大向けの進学塾がないこと、寮生は門限が18時であることから恒常的に外部のすぐれた指導をオフラインで受ける事は難しい状況だが、その中でも2024年は東大16名、京大14名、国公立医学部医学科に32名合格と関西圏最上位層の高校には及ばないものの、優れた進学実績を残していることから本校の指導力の高さが窺えるだろう。
近年は緩和傾向もまだまだ厳しいスパルタな「受験監獄」
同じ兵庫県でも灘中高などは関西中の神童が集まるため、放っておいてもその地頭で大学受験など簡単に乗り越えてしまうが、そうではない本校が優れた実績を収めるのにはわけがある。
それは厳しい校則により管理することだ。やはり、何かを得るには何かを捨てなければならないということだろう。
具体的には、
・携帯電話の学校への持ち込みは禁止、バレたら謹慎3日間
・登下校中の飲食及び書店以外への立ち入りは禁止
・ゲームセンターへの立ち入りは保護者同伴でも休暇中でも禁止
・カラオケボックスへの立ち入りは保護者同伴
といった具合で、現代には珍しい管理体制である。
とはいえこれでも一昔前の体罰や過剰な課題のあった時代と比べれば大分緩和されたようだ。誘惑の多い現代で集中して勉強に励み、医学部合格という将来の保証を得てから人生を謳歌する。その覚悟を持てる学生にとっては、心身ともに加速度的に成長する6年間を送ることができるだろう。





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