近年、入試制度の多様化が進み、全国の大学で総合型選抜・学校型推薦選抜の割合が増加傾向にあります。

実際、私が在学していた早稲田大学でも、多少の偏りはあれども、様々なバックボーンを持つ学生を目にしてきました。

今回は、私の経験を活かし、早稲田大学の入試方法別の予後の傾向について、考えていきます。

一般(専願)パターン

 一般入試かつ私立専願で第一志望として早稲田大学に入学したパターンですが、このパターンは明暗がはっきり分かれます。

優秀なのは、進学校で部活を全力でやりつつ、最後にもう1段階アクセルを踏み受かってくる層ですが、このパターンは一定の地頭と突破力を持ち合わせています。指定校を獲得する層に近く、より柔軟性があるため、就活でかなり良い結果をおさめます。

しかし、非進学校で部活や恋愛を制限してガリ勉して受かった層や浪人を経ての合格など、「早稲田大学合格が最終目標でありゴール」となってしまっていた層は比較的予後が悪い傾向にあります。

達成感に浸ったまま漫然と4年間を過ごすと、大学受験が唯一の成功体験として社会に出ることになります。加えて、後述する国立落ち勢と比べると地頭も担保できておらず、結果就職活動に失敗するケースも目にしました。

そもそも受験までに一番エネルギーを使い果たしているのもこの層なのかもしれず、最も入学後の頑張りが求められる層でもあります。

一般国立落ちパターン

 東大、京大、一橋あたりの難関国立大学に落ちて早稲田大学に進学した人が該当しますが、このパターンも卒業後の明暗がはっきり分かれる印象です。

他の属性と比べて入学時の総合的な学力は最も高いですが、「仕方なく入学した」という感覚から、劣等感も一定付き纏います。

その暗い気持ちを早期に断ち切り、スムーズに大学生活へとシフトして行くことができれば予後はかなりいい印象。

資格勉強に力を入れ、ロースクール進学後に弁護士になる者もいれば4年時に公認会計士合格など、専門職の道を歩む人が多い印象です。インターンに注力した層は高いコミュニケーション能力を活かしてトップティアの外資コンサルに内定する人もいます。

戦略コンサルや総合商社といったトップ企業では、東大や京大を狙えるくらいの頭脳であれば、他の要素(コミュ力・容姿など)で挽回可能ということなのかもしれません。

反対に、いつまでも未練を引きずり、1年生の時のコミュニティ構築に失敗すると取り返しのつかない事態となり、留年→ガクチカなし学生(いわゆる「無属性」学生)となるパターンもあります。

それでも割り切って地元で公務員などになれればいいですが、プライドを捨てられずにいると予後は非常に悪い。仮面浪人を検討する人もいますが、このタイプの多くは失敗に終わり、その後かなり厳しい状況(留年、中退など...)に置かれることになります。

入学後のプライドの持ちようでその後の人生が大きく分かれると考えていいでしょう。 

指定校進学パターン

 指定校推薦で進学したパターンですが、この層は受験界隈からヘイトを集めている一方で、それなりに予後が良い傾向にあります。

彼ら彼女らは、高校時代に高い評定を獲得しただけあり、基本は真面目な性質を持ち、尚且つ一定の社会性を持っている傾向にあります。

以前の記事でJTCと言われるような古い体質の日系企業は「失点しないこと」と、「疑問を持たないこと」が大事であると述べましたが、この2点に非常に当てはまります。

そのため、大学時代も派手さはないものの安定したコミュニティを形成し、無難に大手に就職します。最難関企業こそいないものの、メガバンクや大手メーカーといったJTC、総合コンサルに就職する人が多かった印象です。

唯一予後が悪くなるパターンとしては、大学で受けた刺激によって「背伸び」してしまうことです。一部の超優秀な学生(内部生、東大落ちなど)から刺激を受けたことで目線が上がり、外資系コンサルや銀行、大手広告代理店など背伸びしたキャリアを志すケースも見られます。

指定校進学の学生では、バイタリティや頭抜けた地頭、コミュニケーションなど、超難関企業から求められるスキルに乖離があるため、目線が上がりすぎると就職活動でうまくいかないパターンも見られます。

しかし、背伸びしすぎなければ、非常に先行きの明るい進路と言っていいでしょう。

総合型・帰国子女パターン

 総合型選抜や当時存在した帰国生入試などで早稲田大学に入学したパターンですが、正直予後が悪い該当する人をほとんど見たことがありません。

まず、総合型パターンは入試の時点で学びたい内容などをしっかり考えて入学してくるため、大学入学後に迷走するケースが起こりにくいです。

その方向性次第で進路はさまざまですが、他のパターンよりも年収を重視せず(実家が太いことも関係しているかもしれない)、全体の仕組みづくりや何らかの分野に特化した進路を辿るケースが多く、私の周りではコンサルの公共分野から転職しNPO団体、半官半民の行政法人や公務員、大学院進学、インフラなどさまざまです。

 次に帰国生ですが、大前提就活においてかなり強い属性となります。

その経歴を活かし、総合コンサルや大手メーカー、商社など順調な進路を辿る人を多く見かけます。

更に、帰国生の多くは実家が太く、新卒で就職せずワーホリや、海外放浪など、豊富な資金力を背景として好きな道を選べる、という点でも行き詰る学生はほぼ見かけません。

予後が悪くなる可能性としては、英語力のみでファーストリテイリングなどに就職するも、最初の現場での販売職が全く性質に合わず、ジョブホッパー的な進路を辿るというような、就活で語ること・評価されることと目先の数年で行う業務が本人の能力と乖離し過ぎているような場合だけでしょうか。

何にせよ、入学時点でやりたいことが見えている、というのは予後が悪くならない大きな要因と言えます。

内部進学生パターン

 内部進学で早稲田大学の附属、系属校から進学した学生ですが、こちらも予後はかなり良い傾向にあると感じます。

一般的には学力で大学受験組に劣り、良くないのではないかと考える方もいるかもしれませんが、現実は逆です。

 その理由としては、まず圧倒的な地頭の良さです。就職活動ではペーパーテストの細かな知識は問われず、頭の回転や地頭が見られます。

中学受験において駒場東邦や海城といった東大進学校と同レベルである早稲田中学や早稲田実業中学部に合格した内部生は、大学受験をしていたら東大や医学部を目指せる子も少なくないのです。

就活で必要となるSPIや適性検査は中学受験算数と酷似しており、彼らは難なく突破していきます。

 また、早稲田の附属校に進学する家庭は、親が早稲田のOB、親が一流企業の役員、部長クラスや経営者であることも少なくありません。そのような家庭環境では、親御さんが就活相談に応じられるといったケースが多いのです。

それ以外にも、内部生には体育会系が多いことも挙げられます。

早稲田実業の野球部や早大学院のアメフト部は首都圏屈指の強豪ですし、附属の部活のレギュラークラスがラクロス部など新たな競技に転身するケースも多くあります。早稲田の体育会系の就活の強さは、言うまでもありません。

もちろん例外はありますが、基本的にはかなり予後の良いバックボーンと考えられます。

まとめ

 以上、5パターンに分けて早稲田大学生の予後について考えていきました。

予後が悪くなるパターンに共通するのは、「自分の能力と目指すものの間に乖離があること」と「燃え尽き症候群やプライドなどの要因で足を止めてしまうこと」です。

このような状態に陥らないよう、是非ベストな人生設計を探ってみてください。