1. 東大推薦入試を狙うなら高校選びが重要?

 昨今、推薦入試を重視するトレンドが大きくなってきています。

 東京大学は2016年度より推薦型の入試が実施されましたが、現在の東京大学は新入生のうち推薦入試合格者は一割にも満たないです。

 しかし、東京大学の藤井輝夫学長は3月6日、今後一般選抜による入学者の割合を減らす方針を示しました。早ければ、2年後の2028年度入試(27年度実施)以降の導入で議論されています。

 この変化に際して、東大への入学を考える学生およびその保護者様にとって非常に重要なのは「高校選び」です。

 東大推薦では、高校での知的探究活動、そしてその生徒自身の知的欲求の強さが重視されるからです。

 推薦入試合格を目指すためには、生徒の好奇心を伸ばしそれをサポートしてくれる高校への進学が必要条件なのです! 

 今回は「東大推薦合格のためにはどこにあるどんな高校に進学すればいいの?」という素朴な疑問を2025年度の推薦入試合格者数より読み解いていきます。

2. 東大推薦合格者が多い高校ランキング

 それでは早速2025年2月12日に発表された東大推薦の合格者数を見ていきます。

順位

高校名

所在地

合格者数

私立・公立・国立

共学・男子校・女子校

1

渋谷教育学園渋谷

東京

3

私立

共学

2

秋田

秋田

2

公立

共学

 

小石川中等教育学校

東京

2

公立

共学

 

豊島岡女子学園

東京

2

私立

女子校

 

長野・県立

長野

2

公立

共学

 

四日市

三重

2

公立

共学

 

神戸大附中教

兵庫

2

国立

共学

 

岡山学芸館

岡山

2

私立

共学

 

広島

広島

2

公立

共学

 

大分上野丘

大分

2

公立

共学

大学通信オンライン 2025年 東京大学 学校推薦型選抜 合格者数をもとに作成(リンク)

 東大推薦は各高校より最大4名の志願者を受け入れています。そのうち男女は各3名以下のため、男子校・女子校の場合は最大の志願者数が3名となる。

 上記の図は2025年度の東大推薦合格者数のランキングのうち、2名以上が合格した高校を並べたものです。

 3名以上の合格実績を出したのは渋谷教育学園渋谷のみであり、他9校が2名の合格者を輩出しました。

 推薦入試合格者のデータを元にさらに詳しい分析を行なってみます。

・出身地

まず、出身地についてです。

 やはり東京都の高校出身の割合は圧倒的に高く19校でした。続いては兵庫県、神奈川県の5校、埼玉県の4校の順でした。東京都は名のある進学校を含め高校の数が多いためこれは当然の結果だと思われます。

・私立と公立の割合

 次に、私立・公立・国立の割合です。2025年度の結果を元に数を数えると、

公立: 36校

私立: 30校

国立: 4校

 のようになっていました。地方の名門公立高校からの合格者が多く、公立高校の実績が私立高校を超える結果となっています。

 さらに詳しくデータを見ると、東京出身の場合は私立、地方出身の場合は公立・国立が多くなっている印象でした。

 次に共学・男子校・女子校の割合です。結果としては以下のようになっていました。

共学: 54校

女子校: 5校

男子校: 11校

 公立高校が多いため共学の割合が非常に高いように感じました。男子校や女子校の多くはそれぞれなのしれた有名な高校であるケースがほとんどでした。

3. 推薦合格者が出やすい高校の特徴とは?

 それでは東大推薦合格者が出やすい学校の特徴としてどのようなものが挙げられるのでしょうか?

 合格者が2名以上の学校を参考に特徴を見ていきます。

 いずれの学校も大きく「知的探究活動」「国際的活動」の二つに力を入れている印象が強いです。

・知的探究活動について。

 SSHを含め自主的な研究活動の機会を提供しているケースが多く見られます。学内での発表や中学校の卒業研究が課されている学校もあります。それぞれの学校が生徒のカリキュラムの中で自主的に学問へ取り組むように工夫を凝らしています。

 例えば渋谷教育学園渋谷では、高校1年〜高校2年の2年間をかけて「自調自考論文」という課題が課されます。自身の興味のあるテーマを選択し、調べた上で論文としてまとめあげ、発表します。受験勉強の範疇を超えた知的活動といえます。(リンク) 

・国際的活動について。

 多くの推薦入試合格者を出す高校には、国際的素養のある人物の教育が盛んであるという特徴があります。これらの学校では、ネイティブの先生との英会話や留学の経験などが与えられています。

 例えば、都立小石川では三年生の全生徒が夏休みに2週間オーストラリアに語学研修にいきます。他にも「グローバルカフェ」といった国際教養の学べる機会などが設けられています。(リンク)

まとめ:東大推薦入試を狙うなら、高校選び+自分の努力がカギ! 

 東大推薦入試において地方と首都圏どちらが有利かというような差はあまり感じられないように感じます。

 むしろ、地方の公立高校であっても自身の可能な範囲で知的な活動に勤しんでいる生徒が評価されているような印象を受けます。東京や首都圏にある進学校の場合、環境が整っているだけにそれなりの成果が求められてしまうという傾向もあるそうです。

 とはいえ、知的な教育機会が設けられているか、生徒の自主的な探究活動を許されているかどうかは非常に重要な側面であることは間違いないです。

 そのため東大推薦を狙うのであれば、詰め込み型の教育方針ではなく自由に生徒が学び、個性を伸ばせる高校を選ぶのが良いかもしれません。

 大切なのは置かれた状況でいかに学問を追求するかなのです!