「異文化交流の経験を教えてください」 

 国際系の学部や、英語に重点を置いた英語特化型の推薦入試の場合、自身の国際的な活動や交流について尋ねられることがあります。

 多くの受験生は、海外という文化に触れる機会が少なく、自身の国際経験の「ネタ」を探すことから始まるのが一般的でしょう。

 逆に言えば、ここで具体的で面白いエピソードを盛り込むことができればほかの受験生と差をつけ、合格への一歩が近づくことは間違い無いでしょう。

 今回は中央大学法学部 英語運用入試に合格した一際目立つ異文化交流経験についてご紹介していきます。

 

中央大学法学部 英語運用の例 

Q 異文化との出会いについて、あなたの経験から感じたこと・考えたことを述べてください

I held cross cultural online discussion events at the NGO by using my English ability which was cultivated in IB course.

Over 100 people from various countries joined our event.

I learned how important it is to provide an opportunity for people in Japan to join cross cultural events.

I think that it is essential for people to join such events because by actually talking to people with different backgrounds you can realize the stereotypes you may have towards someone and gain a wider perspective of the world.

During activity to support foreign residents, I recognize their rough working conditions.

From this I thought I want to solve the issues of discrimination occurs between different culture.

 

 

ポイント1. 最も強力な強みを最初の一文で!

  本志願者は高校時代にNGO団体で活動していました。その経験のうち自身が最も印象に残った異文化交流経験の一部を最初の一文ではっきりと明記しています。

 NGO団体に所属しており、さらに高校生でありながら一つのイベントを計画するというのは並外れたことではありません。

 実際の活動内容をこの短い文字数の中から鮮明に汲み取ることはできませんが、「NGO」「イベント運営」という二つのキーワードが並んだ時点で、読む側としては何かすごいことをやってきた人間だというように感じやすくなります。

 最初の一文で自分の強みをはっきりと述べることで続きの文章の説得力も増すというメリットもあります。

 また、「異文化交流系のNGOに所属していた」というふうにざっくりとした経験でまとめず、運営した一つのイベントに焦点を当てたのも注目ポイントと言えます。

 ただ団体に所属していたと述べるだけではその活動内容やそこからの学びを読者が汲み取ることは難しいです。

 推薦の文章に自身の経験を書く際にはできるだけ具体的に、ミクロな視点で書くと評価がよくなります。

 

ポイント2.聞かれていることの焦点を間違えない!

 

 この志願書の特徴として、自身の活動の内容は二文程度で軽く紹介し、メインで聞かれている「学び」にきちんと焦点を当てられているところです。

 イベントの運営を高校生ながら行った志願者のため様々な体験談や、アピールしたい内容をお持ちであったはずです。

 しかし、あくまでも尋ねられているのは「学び」でありそこから逸脱することは好まれません。

 文章を書く際には、自分の話したい内容ではなく、何を聞かれているかを常に意識している必要があります。

 例えば、本志願者は”I learned how important it is to provide an opportunity for people in Japan to join cross cultural events.”という文章を通じて、自身が行ってきた活動の有意義性を再確認しています。

 また、ただ大切だと述べるだけではなく、「人々が持ってしまうステレオタイプを回避し、より広い価値観を得る」という目的を異文化交流に見出しています。

 このように自身の行った活動がどれくらい、どんな人に、どうして大切かを意識して文章を書くとさらに説得力を増します。

 大切なのは5W1Hを意識しつつも聞かれていることに単刀直入に応えることです!

 

 

ポイント3. 学びからその先の意欲へ

 

 このような短いエッセイであったとしても、自身の学習や行動の意欲をアピールすることができます。

 本志願書では異文化交流イベントを通じて得た学びについて主にフォーカスされつつも、それを踏まえて「自分が何をしたいか」まで記述が及んでいます。

 それは最後の一文である、

”From this I thought I want to solve the issues of discrimination occurs between different culture.(この経験から、異文化間で差別が発生する問題を解決したいと思いました。)”

 に現れています。

 

 残念ながら本記事では全ては紹介できていませんが、この志願者は一貫して海外の移民問題について問題意識や解決意欲を示しています。

 今回のような短い記述であったとしても、自身が大学で行いたい活動や学びたい学問の理由づけを説明することができるのです。「異文化の交流により〇〇を学んだ」とだけ述べるよりも「異文化の交流により〇〇を学んだ。そのため〇〇をしたいと思った」と一言加えるだけで志願者の思いは試験官に伝わりやすくなります。

 

 いかがでしょうか?

 みなさんも、自身のユニークな経験を学びにつながる形で説明できるよう工夫してみてくださいね!