本日、2026年の医師国家試験の合格発表がありました。

医師国家試験は、医学部を卒業した人が医師として働くために必ず受験しなければならない、最も重要な試験。「医学部に入ればゴール」ではなく、「国家試験に合格して初めて医師になれる」のです。

もし不合格になった場合は、生涯年収が約2000万円減少すると考えられ、多くの医学部生が人生をかけて臨む修羅場でもあります。

そのため、国家試験の合格率は各大学を評価する上で、最も重要な基準の一つです。 医学部受験を考える生徒や保護者にとっては、見逃せない指標になります。

全体の合格率の変化は?
大学ごとの合格率は?
予想外の結果となった大学は?

この記事では、2026年の医師国家試験の最新結果をもとに、現役医学生が注目ポイントを解説します!


2026年の試験結果(全体の合格率・合格点)

厚生労働省からの公式データを元に分析していきます。

合格率

今年の合格率は91.6%でした。過去5年では90-92%前後で横ばいとなっており、大きな変化はないと言えるでしょう。

しかし、9139人と近年では最も少ない合格者数となりました。国際医療福祉大学医学部の設立など、医学部の定員が大きく減ってはいない一方で、合格者数が過去5年で最小となりました。

これは「医師余り」の前兆かもしれません。

合格点

今年の合格点は500点中384点で、76.8%の得点が必要でした。概ね過去5年間の75-78%と大きくは変わらない結果になりました。一方で、過去10年単位で比較すると、合格点が上昇しており、試験自体の難化を指摘する声もあります。


大学別合格率

学校別の合格率(公立・私立・偏差値)

大学別では、北海道大学・京都大学・自治医科大学合格率100%1位になりました。

上位と下位の5大学は次の表の通りです。

上位5大学

下位5大学


結果の分析

国立 vs 私立

国立と私立では、合格率は国公立と私立で大きく変わらない傾向にあります。

2026年では、国公立の合格率は94.2%、私立の合格率は92.5%と例年と同様でした。

一方で、私立の方が国試対策に力を入れたり、厳しい卒業試験や進級試験を設けたりすることが多いです。

このことを加味すると、純粋なストレート進級率 x 国試合格率では国公立に軍配が上がる可能性が高いです。

男子 vs 女子

男女比較では男子の合格率が91.1%、女子が92.4%と、女子の方が上回る結果になりました。これは例年と同様です。

僅差ではありますが、女子の結果が高い理由については、結婚や出産といったライフイベントへの関心や危機感が高く、「1年間浪人」の重みが相対的に大きいことなどが考えられます。

大学別の分析

自治医科大学

例年合格率上位の自治医科大学が今年は合格率TOPに輝きました。

特に地域医療に力をいれている自治医科大学ですが、6年間の寮生活をはじめとした教育熱心な姿勢がこの実績につながっていると考えられます。

また、臨床実習が始まる(=終わる)のが比較的早く、国家試験の勉強を早期から始められる点も強みです。

さらに、「卒後9年間は出身都道府県の指定病院で働く」という制約があります。そのため、1年でも早く「自分で病院を選びたい」という思いが勉強につながるのかもしれません。

京都大学

大学入試でも難関である京都大学も合格率100%を叩き出しました。

特筆すべきは、指折りの難関大学・学部であるにもかかわらず合格率が100%な点です。東大や東京科学大をはじめとし、TOP大学では「医師に興味はないが偏差値が高いから医学部に入った」「臨床はせずに研究やビジネスに進む」といった学生が一定数存在します。

今年はそういった学生が少なかった、もしくは彼らも合格した、という点で珍しいと言えるでしょう。

国際医療福祉大学

昨年は合格率100%で1位となった国際医療福祉大学。今年も合格率98.4%で8位と十分な成績を残しました。新興の医学部が上位に食い込む結果となりました。


医学部こそ”入学後”が重要

国家試験は、医者になるために必ず受験する最終関門です。不合格になった場合、生涯年収の大幅な減少やキャリアの遅れ、さらには出産時期の影響など、人生設計に大きく関わる可能性があります。

そのため、医学部を選ぶ際には、「どの医学部が国家試験に強いのか?」をしっかりと見極めることが重要です。しかし、私立大学の合格率は、卒業試験の厳しさによって数値が高く見えるよう補正されている場合があるため、注意が必要です。合格率だけでなく、進級率なども確認しながら、総合的に評価することが大切です。

医学部選びは将来のキャリアに直結する重要な選択です。ぜひ、本記事の情報を参考にしながら、最適な医学部を見つけてください。