「医学部は大学に入っても勉強が大変」

「高校も大学も勉強漬けで青春を楽しめない」

そんなイメージを持っている高校生や保護者のみなさんも多いのではないでしょうか?

しかし、実は他の理系学生・文系学生よりも学生生活を謳歌している側面もあるかもしれません。

「実際はほとんど勉強しない」

「6年制だから、むしろ遊べる時間が長い」

そう語るのは、国立大学の医学部を卒業してから間もない、医師1年目の西村さん(仮名)。

インタビューから学生生活に迫ります!

大学デビューするなら医学部?

__早速ですが、忙しい医学部でどうやって大学デビューできるのでしょうか?

西村:周りの人には驚かれるんですが、実は医学部生ってそこまで忙しくないんですよ。

大学6年間を振り返ると、勉強と余暇の時間の割合は大体3:7くらいでした。

他の理系学部と比べると、勉強・研究の割合が少なく、余裕があるのが大きな特徴ではないでしょうか。場合によっては、忙しい文系の学部よりも遊べるかもしれません。

__余暇の時間について、どのように過ごすのでしょうか?

※医学部の勉強事情はこちらの記事で見られます!


西村:基本的には部活動・アルバイト・恋愛・友人との遊び、の4つで、余暇の過ごし方のパターンは他の学部とほとんど同じだと思います。

ただ、「高校生が想像するような、普通のキャンパスライフを送る」ことができたことは、個人的には驚きでした。入学する前の「忙しい」「勉強しかしてこなかった真面目な人たち」といった医学部のイメージとは異なっていたからです。

具体的な過ごし方についてお話します。

ほとんどが運動部へ

医学部は部活動の文化がとても盛んです。
特に地方の大学だと、他にやることが少ないというのもあると思いますが(笑)

実際に、9割ほどの学生が何かしらの部活動に入りますし、しかも5-6割くらいが運動系なんです。

運動部といっても、体育会とは別で医薬系学部だけの部なので、一般的なサークルと同じくらいの雰囲気のところが多くて、週3回・3〜4時間ほどの活動が自分の大学では標準的でした。

もちろん部活動にもよって厳しさは異なっていて、

「暇な時に顔だけ出す」
「人数が足りなくて試験直前でも試合に駆り出される」
「昼は大学をサボって筋トレ、夜は部活の練習」

など様々。

全体としては、体育会系ほどは厳しくないので、運動以外の活動・イベントも多くあります。

例えば、一般的な、新入生歓迎イベントや卒業生の追い出しイベントに加えて、練習をしない夏合宿、(スキー部以外の)スキー合宿、部全体でディズニーなど、日常を一緒に楽しむコミュニティの側面も強いです。
まるで「陽キャサークル」のような生活を送ることも珍しくありません。


それだけでなく、先輩との交流が本当に重要で、試験の過去問はもちろん、勉強の進め方や将来の進路についてのアドバイスをもらえるんです。
これらは「医学部の先輩」からしか手に入れられない情報で、部活動に入らないと得られないメリットです。


スタバ店員は医学部が多い!?

医学生だからといって、特別なアルバイトをしている人はそれほど多くはありません。
例えば、高い学力を活かせて時給が良いという理由から、やはり塾講師や家庭教師は人気です。

時給も2000円~3000円ほどと、短い時間である程度の金額を効率よく稼ぐことができます。
実際に、私が大学1年生の時に働いていた個別指導塾の時給は2700円ほどで、評判によっては昇給も可能な条件でした。

一方で、楽しさや憧れ、出会いを求めてカフェや居酒屋でアルバイトをしている医学生も珍しくないんです。
私の友達だけでも、スタバで働いている子が4〜5人はいますね。

条件面を教育系と比べると、時給は1500円以下と劣りますが、「昼から夜まで長時間仕事がある」ために、アルバイトの総額としては上回ることが多いようです。

彼らのSNSを見ると、アルバイト先での送別会や飲み会の様子も多く、
「アルバイト先で友達ができる」「おしゃれなお店で働く」といった、高校生がイメージする華やかな大学生活を送っています。

また、変わり種にはなりますが、ベンチャー企業などでの長期インターンをする学生も目立たなくなってきました。
医療系の会社のサービス作りはもちろん、医療と関係のないIT系企業でプログラミングスキルを磨いていた友人もいます。

ガリ勉でもモテモテ?

医学部には男子校・女子校出身者が多いので、恋愛経験が少なくても彼氏・彼女を作りやすい環境だと思います。
女子立が20~30%と理系学部にしては高く、男子にとっても女子にとっても過ごしやすいです。

数字だけ見ると男子が余りそうですが、看護学部や薬学部とキャンパスやサークルを共有していることが多いので、医学部全体で見ると男女比が1:1に近くなります。

つまり、「ガリ勉だったから恋愛経験がない」という人にとっても、医学部はチャンスが多い環境と言えるでしょう。

恋愛以外でも、交友関係は広げやすい環境です。医学科は1学年がおよそ80〜120人と少人数で、全員の顔と名前が一致するくらいの距離感だからですね。
実際に、学科の誰と廊下ですれ違っても「おはよう」「お疲れ様」など挨拶くらいは軽くします。

他の学部と大きく違ってほぼフルコマで授業があり、同じ学科の友人とまったく同じスケジュールで動くので、予定を共有しやすいのも特徴です。
私の大学では3年生で2週間ごとに試験があったので、終わるたびに飲み会をしたり、カラオケやボーリングなど近場であそんだり、土日と繋げて旅行に行ったりしていました。

ただ、100人規模のムラ社会ならではのデメリットもあります。

誰と誰が付き合っている・別れた、誰と誰の仲が悪いといった話が、あっという間に広まってしまうんです。
同学年の中だけでなく、違う学年の先輩・後輩との噂もすぐに知れ渡ります。

さらに、一度こじれてしまった同級生と、実験や病院実習で同じ班になるケースも珍しくなく、そういった人間関係の窮屈さはムラ社会の宿命かもしれません。

最悪の場合には、病院実習を回る2年間固定の班(6人程度)に2組の元彼・元彼女がいた、という話は聞いたことがあります。

医学部=ガリ勉ではない

「医学部はガリ勉ばかり」「忙しくてあまり遊べない」というイメージを持つ方も多かったのではないでしょうか?

しかし、西村さんによると、部活動や恋愛などの私生活も充実していることが伺えます。

さらに、男女比が1:1に近かったり、スケジュールが合う友人が多かったりすることは他の理系学部にない特徴かもしれません。
高校時代に勉強に打ち込むあまり犠牲にした青春を、医学部では取り返すチャンスが豊富にあるとも捉えられます。

将来やりたいことはもちろんですが、「どのような大学生活を送りたいか」にも目を向けてみてはいかがでしょうか?