みなさんは、志望理由書を書く時にどんなポイントに気を付けていますか?

 一般入試と違って、選抜入試は客観的な評価が難しいです。「このテストで何点を取れば合格」のようなわかりやすい基準がありません。しかしその代わりに、大学ではいくつかの「基準」を設けてその志望理由書を評価しています。

 「こういう内容が書いてあれば○」「こういう視点が欠けているものは×」というような評価ポイントがいくつか存在しているのです。

 今回は、大学側が評価のポイントにしている場合が多い3つのポイントをお話しします。

ポイント1唯一性

 

 まず重要なのは、「その大学の唯一の要素・ユニークな部分」です。これをしっかりと知って、それと自分を適合させなければなりません。

 つまり、「自分にとって、その大学で学ばなければならない必要性」を証明する必要があるわけです。

 「それ、うちの大学じゃなきゃできないんですか?」というのは、絶対にどこの大学に言っても聞かれる質問です。そして、一番困る質問と言っても過言ではないでしょう。

 「あなたの経歴ややりたいことはわかりました。しかし、我が大学でなければならない理由はありますか?」「あなたは経済的な知識を専門的に得たいというプレゼンをしていましたが、経済的な専門知識を得るという目的であれば、別に我が大学でなければならないことはありませんよね?」というように、面接では聞かれてしまいます。

 正直、多くの人はこの質問に対して「まあ、それはそうなんですけどね」と考えてしまうと思います。だって大抵の人は、いろんな大学に志望しているうちの一つでしかないわけですから。

 A大学でダメだったら、B大学を考えるのはある種当たり前の話です。ですから、「それ、うちの大学じゃなきゃできないんですか?」に対する回答に真摯に答えるなら、「いいえ、別にぶっちゃけ他の大学でもいいと思います」になると思います。

 しかし、これではいけません。

 なぜなら、大学側だって、あなたでなければならない理由はないからです。

 あなたがもしその大学でなくてもいいのであれば、大学側だってあなたでなくてもいいんです。その大学でなければならない理由を明確にしておかなければならないわけですね。

 よく選抜入試は結婚のマッチングに例えられます。結婚相手を選ぶときには、やっぱり「運命の相手」を選びたいですよね。ただ付き合うだけだったら「身長が高い人」とか「かわいい人」とか一定のイメージでいいですが、結婚となると、「その人でなければならない理由」が欲しいですよね。しっかりとお互いのことを知って、「〇〇さんはこういうときにこんな風に振る舞っていて、この人となら結婚したいと思うようになった」というエピソードが欲しいですよね。それと同じで、しっかり「その大学でなければならない、唯一の要素」がないといけないわけです。

 ちなみに、ICUでは願書の質問項目の一つに、「ICUにとって、あなたを受け入れることが、重要になると思う理由を答えなさい」というものがあります。「あなたにとって」ではなく、「ICUにとって」なのです。すごい質問ですよね。でもこれって、先ほどから話している「その大学である必要性」につながる問いだと思います。なぜなら「その大学でなければならない理由」は「あなたにとって」だけでなく、「大学にとって」もプラスですよ、というプレゼンの仕方も成立するからです。

 「私が、その大学でなければいけない理由」だけでなく、「その大学が、私でなければいけない理由」を考えることもできるというわけですね。

 なので、ICU以外の大学を目指す人であったとしても、みなさんはぜひ、この質問に答えられるように、その大学でなければならない理由を明確にしてみてください。

 

ポイント2差別化

 次は差別化です。他の生徒との差別化をするために、他の生徒では語れないようなユニークな自分の夢・自分の抱負を語りましょう。

 少し大学側の事情に立ったお話をします。この選抜入試を審査するのは人です。決して、AIではありません。そうなった場合、その選抜入試の審査をする人達は、1日で何十通も生徒の志望理由とにらめっこする必要があります。

 そしてそのときに必要なのは、差別化のポイントです。早い話、他の受験生の志望理由に埋もれてしまわないように、アピールポイントをしっかりと明確に持っておいた方がいいのです。アピールポイントを明確にすると、審査員の頭に残ってもらえる可能性があります。

 そうすると、「あ、この子は国際公務員になりたかった子だ」「この子はあのビジネス立ち上げた子だな!」と、それからの試験でも有利に事が進むことも多いのです。

 自分だけの強みや、自分だけが経験して来たことや、ユニークな夢などをしっかりと考えるようにしましょう。

 人によっては「理系からこの大学に志望する人は少ないから、自分はきっとマイノリティになれるだろう」という理由で大学を選ぶ人も多いくらいです。その大学を受ける人との違いを明確に意識することで、うまく大学側の関心を惹けることと思います。

 さて、そしてそのために重要なのは、一貫性を持つことです。アピールするポイントを絞って、一貫したアピールを続けるのがいい、ということです。

 いろんな要素が散りばめられた願書を書いてしまうと、「あれ?この子って、どんな子なんだっけ?」と、逆にその人のアピールポイントがぼやけてしまう事があります

 「自分はこんなことも、こんなことも、こんなこともしているんです!」とたくさん書きたくなってしまうこともあるかもしれませんが、そうではなく、一つの強みにフォーカスした書き方を意識するようにしましょう。

ポイント3実現可能性

 最後は、今までのものとはかなり毛色の違うアドバイスになります。

 将来の目標が、「実現可能」なものになっているかどうか。

 これが大学側の先生が見る、最後の難所のポイントだと言えます。

 もちろん多くの人を巻き込んだ大きな目標を持つのは大事なことです。しかし、例えば「世界平和を実現させる」と言ったとしても、「そんなこと、無理だろう」と言われてしまって終わりなんですよね。目標が大きいものだと、実現が難しくなってしまうわけです。

 だからと言って、「身の丈にあった実現可能な目標を作れ」という気はありません。目標自体を小さくする必要はないのです。つまりは、「実現できそうだな」と思ってもらえるようにしなければならないということです。

 例えば、そのために「今までの実績」を使う、ということもできるでしょう。

 「それは可能なんですか?」と聞かれたとしても、過去の実績や、過去の課外活動の実績などを述べることもできるでしょう。

 または、スモールスケールから初めて、ステップごとにどんどん大きくしていくというのもありでしょう。「いきなり海外でサービスを始めようとするのではなく、まずは日本国内でサービスをします」「まずは実験としてこの地域で3ヶ月実施してみます。そのデータを集めつつ、こういうサービスを作ってみます」というように、どんなに最終的な目標が大きかったとしても、そこに行き着くまでのプロセスが明確なのであれば、それは実現可能です。

 飛行機を使わずに沖縄から北海道に行くのは荒唐無稽な旅に思えるかもしれませんが、「まずは沖縄から船で鹿児島まで行きます」「鹿児島からはこの路線に乗って、一度博多まで行きます」「博多からは新幹線で一度東京まで行き、東京で乗り換えてまた新幹線に乗ります」「青函トンネルを越えれば北海道です」と、しっかりそこに行き着くためのプロセスが明確なら、問題なくそれは実現可能なものだと判断されるでしょう。

 いかがでしたか?ぜひ志望理由書を書くときに参考にしてみてください!