「みんなが知らない大学入試の裏口」では、多くの人が知らない、一般入試以外の入試形態についてみなさんに紹介します。

 今回の記事は、東京大学の裏口です。言わずと知れた日本の最難関大学、東京大学。実は東大には、英語で学位が取得できるコースがあるのです。

 その正体は、PEAK(Programs in English at Komaba)と呼ばれる教養学部附属の英語コースです。PEAKは日本語以外で教育を受けた人向けのプログラムで、2012年に創設されてから2023年度までに合計300名以上が進学しています。中国や韓国からの留学生を中心に、欧米、オセアニア、東南アジアなど様々な国や地域から東京大学に進学していますが、もちろん日本人でもPEAKを受験することができます。

 この記事では、PEAKとは一体どんなコースなのか、どうやって受験するのかをご紹介します! 

PEAKのコース 

 PEAKの入学者は、まず全員が前期課程の「国際教養コース」に所属します。

 3年生になると後期課程に進学し、文系寄りの「国際日本研究コース」と理系寄りの「国際環境学コース」に分かれます。どちらのコースに出願するかは、そもそもPEAKに出願する時点で決めて提出する必要があります。

 いずれのコースを選択したとしても、拠点は4年間ずっと駒場キャンパスになります。 

国際日本研究コース

 国際日本研究コース(International Program on Japan in East Asia、通称JEA)では、日本および東アジアの文化・政治・経済・国際関係などを学びます。

 東アジアの文化に関する講義、歴史に関する講義、東アジアの国際関係史などの講義が開講されています。 

国際環境学コース

 国際環境学コース(International Program on Environmental Sciences、通称ES)では、地球科学ついて学ぶことができます。エネルギーと資源に関する講義、都市計画に関する講義、マネジメントや政策に関する講義などが開講されています。ここからわかるように、理系科目中心ではあるものの、科学だけではなく政策やフィールドワークなど現実の環境問題に即した分野を学べるのが特徴です。

 国際環境学コースの志願者には、数学、物理、化学、生物に関しては入学前に規定の背景知識を身に付けておくことが推奨されています。

PEAKの1次選考

 PEAK入試では、1次選考と2次試験に分かれます。まずは1次試験を見ていきましょう。

学力試験の成績

 PEAKの志願者は、国際的に認められる学力試験のスコアを少なくとも1つ提出する必要があります。

 国際的に認められる学力試験の代表例は「国際バカロレア(IB)」です。PEAKの志願者は、国際バカロレアにおいてDPの6教科で42点中38点以上、並びにコア科目はTOKとEEを合わせて2点以上を取得していることが最低基準とされています。加えて、国際環境学コースを志願する場合、「数学を受験していること」「数学、物理、化学、生物の中から2科目はHigher Levelを選択していること」などいくつかの条件が付されています。

 国際バカロレア以外にも、ドイツが指定するAbitur、フランスが指定するBaccalauréat、International A-levelなど、いくつかの資格試験が採用されています。これらを 複数取得している人は、全て提出するよう勧められています。

エッセイ(小論文)

 また、英語で書かれたエッセイ(小論文)の提出が求められることも特徴的です。出願者の性格、アイデア、独創性、文章作成スキルの質、批判的に考える力などを示す機会であるとされ、小論文のテーマは募集要項で提示されています。当然ですが応募者自身がすべてを書き、他の人や人工知能の助けを借りてはいけません。あくまで自分自身の作品を提出するように明記されています。

 ちなみに、2025年度の募集要項において示された、小論文のテーマは下記の通りです。

Choose a public figure who you view as a role model and explain why.

If you could change one thing about this person, what would it be and why?

(あなたがロールモデルと見なしている著名人を選び、その理由を説明してください。

この人物について1つだけ変えられるとしたら、何を変えますか。その理由は?)

 この質問に対する回答として、500〜600語のエッセイを作成する必要があります。なかなか難しいですね。

英語能力試験の成績

 PEAKの出願に際しては、英語能力試験(English Proficiency Test Score)の成績を提出することができます。カットラインが設定されているわけではありませんが、TOEFL iBTでは100点以上、IELTSでは7.0以上、ケンブリッジ英語検定では185点以上が得点目標とされています。

 加えて、志願者の学力を評価する立場にある人物(申請者の高校または大学の教師)による推薦、その他の人物(近親者を除く)による推薦が必要になります。

2次試験 

 書類選考を通過した志願者は、2月から3月上旬にかけて行われる2次選考に進みます。2次選考は面接ですが、国際環境学コース志願者には面接の前にオンラインでの数学の試験が課されます。数学の試験のサンプルと面接の質問は、PEAKのWebサイトから入手することができます。

おわりに 

 東大のPEAKは、英語で教育を受けた海外からの留学生を受け入れることを目的に導入されたコースですが、日本人でも受験することができます。

 日本にいながら英語で学位が取得できる貴重なコースとなっているので、英語で教育を受けたという方は、ぜひ検討してみてください。