「課外活動の結果とそこから得たものの書き方」

  今回紹介するのは、「中央大学法学部政治学科」に提出された志望理由書の例です。

 皆さんも、何かしらの課外活動に取り組んでいるかもしれません。ボランティア活動、部活動、生徒会、地域プロジェクトなど、その内容はさまざまですが、単に「課外活動をしました」という事実だけでは、志望理由書としては不十分です。なぜでしょうか?

 それは、「活動をした」という経験そのものは、誰にでもできるものだからです。大学が知りたいのは、「どんな課外活動をしたか」だけではなく、「その活動の結果、何を達成したのか?」「そこからどんな学びを得たのか?」という部分です。

 この点をしっかり書くことで、あなたの個性や考え方が伝わり「この受験生はどのように成長してきたのか?」「入学後、どんなふうに学びを深めていくのか?」という大学側のイメージを明確にすることができます。

 課外活動の成果と、そこから得たものについて、どのように書けばよいのでしょうか? 実際の志望理由書の例を見てみましょう。

中央大学 法学部 政治学科 の志望理由書の例

 出願する部門を念頭に置いて、あなたがこれまでに実践してきたこと(課外活動を含む)を具体的に記載し、そこからあなたが何を得たかについて説明してください。

 私は英語のイマージョン教育を推進している学校に12年間通っている。高校2年からは国際バカロレアコースに進学し、多国籍な先生方と世界的な視野で授業を受けることで世界情勢への関心が高まった。そこから文献調査を行い、難民移民問題に関心を持った私は三つ活動を開始した。

 一つ目は日本の難民移民政策に関心を持ったことから日本若者協議会の会員になってイベントに参加した。他にも元外務大臣の玄葉光一郎氏にインタビューを行い難民移民政策の責任者として決断する時に感じたジレンマについての質問をした。ジレンマの影響で積極的に受け入れる体制を国内で実現出来なかったことがあるということを知った。更に、JICAの群馬デスクを訪問して難民移民の問題について学んだ。国外の政策にも興味を持った私は、難民移民を多く受け入れているマレーシアのマハティール元首相に難民移民についての質問をした。そこで教育政策にある不十分な教育の問題を知った。 

 二つ目の活動としてNGO団体ルミチャーを設立して、議論を行うことができる学びの場を提供した。議論は学びを深め、意見を取り入れることができたが実際にアクションを起こさなければ社会の現状は変わらない。

 そこで三つ目の活動として在日外国人が抱える悩みを聞いてサポートする活動を行った。難民移民の生活の現状や、劣悪な労働環境について知ったことでNPO、NGOといった団体の必要性を学んだ。更にマレーシアの難民学校の生徒にオンラインで授業を行う支援活動を開始した。難民学校の校長先生とミーティングを重ねて長期的な支援を必要としていることを知って長期的なオンライン上での教育支援活動を開始した。生徒の学習意欲は高く、初めは消極的だった生徒も積極的に発言する様になった。

 私は生徒達の成長に感動した。この経験を世間に伝えるべく松下政経塾主催の松下幸之助杯スピーチコンテストに応募し倍率24倍を突破して全国大会へ出場した。「教育がもたらす子供たちの無限の可能性」をテーマにスピーチを行った。審査員の東京工業大学名誉教授の橋爪大三郎教授に問題を発見し、活動する力についてお褒めの言葉をいただいた。これらの活動から問題を発見し、解決の為にオンラインを利用してコロナの時代であっても諦めずに自分が今出来ることを模索して実行に移す、行動力を得た。これを機に、社会に価値を生み出す活動に力を入れ、移民難民問題を解決したいと強く思った。(995文字)

ポイント1:活動内容だけではなく、その活動を経て何が変わったかを書く

 この志望理由書では、ただ単に「長期的なオンライン上での教育支援活動を開始した」という活動内容の説明にとどまらず、「初めは消極的だった生徒も積極的に発言する様になった。」 という結果についても具体的に記述しています。

 課外活動を記述する際には、「何をしたか」だけでなく、その結果として「どのような変化があったのか?」を明示することが重要です。たとえば、

・学校でボランティア活動を行った
→ 地域の人々との交流が増え、社会問題への関心が高まった

・留学生のディスカッションイベントを開催した
→ 参加者が新しい視点を得て、異文化に対する理解を深めることができた

 というように、単なる活動の内容だけではなく活動の「結果」を記述することで、その経験があなたにとって意味のあるものであったことが伝わりやすくなります。

 また、この志望理由書では、「議論だけでなく、実際に行動を起こすことの大切さ」に気づいたという点も強調されています。大学側は「主体的に学び、行動できる学生」を求めているため、「実際にやってみた経験」を具体的に示すことが、評価につながります。 

ポイント2:褒められたという客観的な経験をアピールする

 「審査員の東京工業大学名誉教授の橋爪大三郎教授に、問題を発見し、活動する力についてお褒めの言葉をいただいた。」とあるように、第三者からの客観的評価を記述することで、志望理由書でアピールしている自分の魅力がより説得力のあるものになります。

 課外活動を通じて何らかの成果を出したとしても、それを自分で主張するだけでは客観性に欠けることがあります。しかし、「コンテストで入賞した」「著名な教授や専門家に評価された」「新聞やメディアに取り上げられた」などの客観的な事実を加えることで、その成果が周囲に認められたものであることをアピールできます。 

ポイント3:「〇〇力」という言葉に落とし込んでアピールする

 この志望理由書では、活動を通じて得たものについて、「諦めずに自分が今出来ることを模索して実行に移す、行動力を得た。」 と、端的に「行動力」という言葉に落とし込んで表現しています。

 体験から得たものをスキルや能力として明確に書くことで、単なる経験の記述ではなく、「この受験生はこういう力を持っているのだな」というあなた個人の魅力として語ることができます。

・現状を冷静に分析し、何が問題なのかを見つけ出す「課題発見力」を身につけた

・大人数のチームをまとめ、イベントを成功させるという「リーダーシップ」を学んだ

・様々なバックグラウンドの人との議論を経て「多角的な思考力」を養った

 というように、単に「学びました」「成長しました」と書くだけではなく、「〇〇力」と具体的な言葉にすることで、大学側が受験生の能力をイメージしやすくなります。 

まとめ

 いかがでしょうか?

 単なる課外活動の紹介ではなく、そこから何を学んで自分がどう成長したのかを重点的に書くことで、あなたの魅力が伝わりやすい志望理由書になります。ぜひ意識して書いてみてください!