東北大学は、2月25日、2050年までに総合型選抜の割合を100%にすることを決定しました。
出典:東北大入試 2050年までにAO入試「総合型選抜」100%へ 学力試験から面接・小論文試験に
総合型選抜入試とは、一般選抜とは異なり、ペーパーテストによる評価の他に面接や小論文による評価を加味して合否を決定する多角的な試験形態です。最近の東北大学の入学者選抜において、総合型選抜は全体の約31.3%を占めています。この数字は国公立大学の中ではかなり高い数字ですが、それでも一般入試の割合が過半数を占めていました。
それにも関わらず、2050年までに一般入試が完全に廃止されることが決定されたのです。これは、大学入試というシステムの根幹に関わる大きな出来事になる可能性があり、注目が集まっています。
注目のポイント
東北大学は、偏差値65程度(大手予備校のデータだと正確には61~70と発表されている)の非常に合格が難しい難関国公立大学の1つであり、旧帝大の1つです。その中でも東北大は、推薦入試に対して非常にポジティブな姿勢を見せていて、旧帝大の中で唯一、一般入試以外の合格割合が30パーセントを超えていました。
この東北大が、100パーセント選抜入試に移行することを表明したということは、他の国公立大学・ひいては日本の大学全体にこの影響が波及する可能性があります。
とはいえ、私立大学と違い、東北大学の推薦・選抜入試はかなり学力を測る面も強く、通常の推薦・選抜入試とは異なる点には注意が必要です。
これまでの東北大学の入試変化の流れ
これまでの流れを振り返ってみましょう。まず、東北大学のAO入試は2000年度(平成12年度)に工学部と歯学部で初めて導入され、募集人員は合計199名、全募集人員に占める割合は約8.5%でした。
その後、AO入試の募集人員は徐々に拡大し、2015年度(平成27年度)には合計438名、全募集人員の18.3%に達しました。そこから10年程度経った2025年度(令和7年度)の東北大学の発表によると、総合型選抜は全体の約31.3%であるとのことでした。
合格率としては、令和6年度(2024年度)のAO入試Ⅱ期では、全学部合計で志願者数1,232名に対し、最終合格者数は298名となり、合格率は約24.2%で、倍率はほぼ4倍程度ということになります。
共通テストを課さない「AO入試Ⅱ期」と、共通テストを課す「AO入試Ⅲ期」
東北大学のAO入試は、大学入学共通テストを課さない「AO入試Ⅱ期」と、共通テストを課す「AO入試Ⅲ期」の2種類があります。各入試方式の募集人員や合格者数の割合は、学部や年度によって異なります。
「Ⅱ期」「Ⅲ期」というと、「Ⅰ期」はないのか、と思われる方もいると思います。東北大学のAO入試Ⅰ期は、平成25年度(2013年度)入試をもって廃止されており、そこからは「AO入試Ⅱ期」「AO入試Ⅲ期」の2種類が実施されることになっています。
「AO入試Ⅱ期」とは?
AOⅡ期は、次のような試験が課されます。
対象学部:文学部、教育学部、法学部、理学部、医学部(医学科・保健学科)、歯学部、工学部、農学部
出願条件:調査書の学習成績概評がA段階(評定平均値4.3以上)であることが求められます。また、合格した場合は入学を確約できることが条件となります。
選考:第1次選考が書類審査と筆記試験、第2次選考が面接試験。
第一次選考の書類審査では、志願理由書、活動報告書、調査書、志願者評価書などの提出が求められます。そして、第二次選考の筆記試験では学部ごとに異なる内容の試験が課されます。例えば、教育学部では英文読解力や日本語の読解力・表現力を評価する試験が実施されます。
第二次選考の面接では、教授先生たちから直接質問をされる形式になっています。
この2つが合わさって、合否判定がされます。東北大学を目指す学生たちの間では、「AO2」と呼ばれているそうです。
「AO入試Ⅲ期」とは?
それに対してAOⅢ期は、出願資格が異なります。
対象学部: 全学部(文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、農学部)
出願資格:
・大学入学共通テストで各学部が指定する教科・科目を受験していること
・合格した場合、入学を確約できること
ということで、評定の代わりに大学入学共通テストを受ける必要があるわけですね。通常、一般入試の日程的には2月25日に受験が行われますが、この方式だと少し速く、2月10日には面接があり、12日にはもう合格発表があります。
第1次選考
・書類審査:志願理由書、活動報告書・自己評価書、調査書、志願者評価書などを基に評価します。
・大学入学共通テストの成績:各学部が指定する教科・科目の成績を評価対象とします。
第2次選考
・面接試験:第1次選考合格者を対象に、学部ごとに個別の面接が行われます。
決して学力が必要ないわけではない
ここまで見ていただければ分かるのですが、「AO入試Ⅱ期」「AO入試Ⅲ期」ともにしっかりと学力試験が課されています。推薦入試と言っても、東北大学の入試では学力が求められます。学力以外の評定や面接も求められるとはいえ、学力がなくて合格できるような簡単な大学ではないのです。
とはいえ、学力以外の面も評価されるという点もまた事実です。今回の発表で、日本の大学の一般入試以外の受験割合が高くなることは間違いない事実だと考えられます。東北大学の今後に注目です。





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