2026年2月11日、東京大学は令和8年度一般選抜の第一段階選抜結果を発表した。共通テストの成績により二次試験受験資格を得られる受験生を選抜する、いわゆる「足切り」の合格最低点が明らかになり、今年も多くの受験生の命運を分ける結果となった。

2026年度の足切り点数

 今年の足切り点数と、2020年までのデータをまとめる。

文科

年度

満点

文科一類

文科二類

文科三類

2020年

900点

621点(69.0%)

612点(68.0%)

575点(63.9%)

2021年

900点

562点(62.4%)

足切りなし

600点(66.7%)

2022年

900点

520点(57.8%)

435点(48.3%)

595点(66.1%)

2023年

900点

479点(53.2%)

454点(50.4%)

足切りなし

2024年

900点

足切りなし

足切りなし

623点(69.2%)

2025年

1000点

717点(71.7%)

725点(72.5%)

774点(77.4%)

2026年

1000点

720点(72.0%)

744点(74.4%)

781点(78.1%)

理科

年度

満点

理科一類

理科二類

理科三類

2020年

900点

681点(75.7%)

626点(69.6%)

611点(67.9%)

2021年

900点

699点(77.7%)

629点(69.9%)

534点(59.3%)

2022年

900点

630点(70.0%)

646点(71.8%)

529点(58.8%)

2023年

900点

543点(60.3%)

711点(79.0%)

640点(71.1%)

2024年

900点

703点(78.1%)

682点(75.8%)

691点(76.8%)

2025年

1000点

808点(80.8%)

814点(81.4%)

770点(77.0%)

2026年

1000点

775点(77.5%)

767点(76.7%)

716点(71.6%)

文系科類:足切り点が上昇、文三の高さに驚きの声

 さて、今年の文系科類は全体的に足切り点が上昇傾向を示した。文科一類が720点(72.0%)、文科二類が744点(74.4%)、そして文科三類が781点(78.1%)という結果である。

 特に注目を集めているのが文科三類の高さである。78.1%という得点率は、東大文系の中でも際立って高く、受験生の間では「文三でこんなに高いのか」と驚きの声が広がっている。従来、文三は文系の中では比較的足切り点が低めに推移することが多かったが、今年は完全にその傾向が覆された形だ。

 今年の共通テストは平均点が例年よりも低かったことが報道されている。情報や物理・国語などが例年よりも難化し、平均点が低くなっていた。その難化を差し引いても、昨年よりも足切り点が全体として高いというのは、今年の足切りがかなり厳しかったことを物語っていると言えるだろう。また、東大が2025年度から実施している第一段階選抜の基準倍率厳格化の影響が今年も継続しているとも考えられる。

 一方で、文科一類は720点と文系の中では最も低い足切り点となった。文二の744点、文三の781点と比較すると、その差は歴然である。この結果を受けて、「共通テストで自信がなかったら文一狙い」という戦略が、受験生の間で王道ルートとして定着してきた感がある。法学部志望でなくとも、東大に入学してから進学選択で他学部を目指すという選択肢を考えれば、文一への出願は合理的な判断と言えるかもしれない。

理系科類:共通テスト難化の影響を受けるも高水準

 理系科類については、前年と比較すると足切り点が全体的に低下した。理科一類が775点(77.5%)、理科二類が767点(76.7%)、理科三類が716点(71.6%)である。昨年の2025年度がそれぞれ80%超、あるいは77%という高水準だったことを考えると、今年は共通テストの難化の影響をモロに受けた形になっている。

 しかし、それでも77%程度の得点率を求められるというのは、決して易しいハードルではない。共通テストで確実に8割近い得点を確保しなければ二次試験のスタートラインにも立てないというのは、さすが日本最難関の東京大学である。理科三類に至っては71.6%と他の理系科類より低めではあるものの、これは医学部医学科を志望する受験生層がそこまで多くなかったということであり、例年通りの傾向だと言える。

厳格化が続く東大入試

 東京大学は2025年度から、第一段階選抜の通過者を減らし、二次試験をより丁寧に採点できる体制を整えるため、基準倍率を厳格化した。その影響は今年も続いており、2026年度の志願者数は8,329人と、法人化した2004年以降で最少となった。第一段階選抜通過者は7,478人である。

 この厳格化は、単に足切り点を上げるだけでなく、受験生の出願行動そのものにも影響を与えている。より慎重に共通テストの結果と向き合い、自分の実力を冷静に分析した上で出願する受験生が増えているのだろう。

二次試験は2月25日・26日

 今年の二次試験は2月25日と26日の両日にわたって実施される。理科三類のみ27日に面接試験が行われる予定だ。足切りという第一関門を突破した約7,500人の受験生が、いよいよ本番の筆記試験に臨むことになる。

 共通テストで高得点を取った受験生も、ギリギリで足切りを通過した受験生も、二次試験では全員が同じスタートラインに立つ。東大二次試験の記述式問題は思考力と表現力を問う良問揃いであり、ここからが本当の勝負である。

 合格発表は3月10日。果たして今年はどのような結果になるのか。受験生たちの健闘を祈りたい。