「眼鏡一つ買うのにも、なぜその色でその形なのか?説明を求められます」―中学受験界隈で注目を集める情報発信者「戦記」さんの、家庭の意外な素顔が明らかに。今回、初の単独インタビューに応じた奥様は、驚くべきことに「夫のSNSやブログは一切見ていない」と語る。
「私は当初から情報発信に反対で、今も反対です」。共働き家庭で20年以上働く奥様は、夫が突然の四国お遍路に出かけても家族を支える。その一方で、SAPIX入塾や鉄緑会通いについては夫婦で意見が一致するという教育熱心さも改めて明らかになる。
そして冷静に父親を分析する娘の姿も。「娘は努力型。天才秀才ではなく、コツコツ頑張るタイプ」と評する奥様からは、ネット上では見えない戦記の素顔と、時に対立しながらも家族を支える姿が浮かび上がる。
「もし二人とも好き勝手に行動したら、家庭は崩壊するでしょう」という言葉の裏側に迫ったインタビューを実施した。
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「当初から発信活動には反対、今も反対している」
インタビュアー:ネット上では「家庭でご覧になっている奥様はどう思っているのだろう」「これは奥様の意見も聞いてみないと判断できない」といった声が聞かれます。
奥様:はい、正直に申し上げておきますが、夫の書いている内容については、実は把握していないんです。娘が中学に入ってからしばらくして、夫から「君は外部の情報やノイズに影響を受けやすいメンタリティだからTwitter(現在のX)は見るな」と言われているので、基本的に夫の書いていることは今は全く見ていません。内容が何なのかも一切見ていませんし、私自身もXは利用していないですし、夫のブログも読んでいないので、内容についての質問にはお答えできないかもしれません。
インタビュアー:なるほど。そのような状況なのですね。では、まず最初に、戦記さんの情報発信活動全般について、奥様のお考えを伺えますか?
奥様:私は当初から情報発信活動に反対で、今も反対派です。理由は、インターネット上では実際の人間関係よりも格段に多くの人が見ていて、いろいろなトラブルに巻き込まれるリスクがあるからです。有名になると様々なリスクが高まります。
夫本人だけならまだ自己責任と言えますが、娘が巻き込まれることは許容できません。また、私自身は夫ほどメンタルが強くないので、批判に耐えられないというのもあります。基本的にはそういった理由から反対の立場です。
「教育系インフルエンサー」への本音
インタビュアー:戦記さんはそのリスクをどう捉えているのでしょう?
奥様:夫の主張は「情報は発信する者に集まるので、自分が知らない色々な情報が入ってきて、それを娘の教育に還元できる」というものです。「その結果として有名になることは悪いことではない」というのが夫の考え。
一方で私は比較的保守的な業界で働いているので、有名になることはそれなりのリスクを伴うと感じおり、「有名になることによるメリット」だけに焦点を当てる考え方に疑問を感じることがあります。
インタビュアー:ご自身のお仕事と戦記さんの活動スタイルの違いについて、何か感じることはありますか?
奥様:夫にとっては、私があまりアグレッシブでないことが物足りないようです。私はいわゆる就職氷河期と言われる時期を乗り越えて、一度も退職や転職することなく20年以上働いています。仕事と生活をやりくりしていること自体、自分では頑張っていると思っているのですが、夫からするともっとアグレッシブに生きてほしいという気持ちがあるようです。そこはよく言われるところですが、平日は仕事と家事で疲れますので、休日は自分なりのペースで過ごす時間も重要で、難しいと感じています。
お互いのバランスという意味では、私が比較的地味にコツコツと生活する性格で、あまり外に飲み歩いたりするのが好きではないので、逆に言えばそれがバランスになっているのかもしれません。
例えば、夫が昨年2024年8月に、突然四国お遍路(八十八ヶ所霊場巡礼)に10日間ほど行ってしまったりすることがありますが、その間は私が全部家のことをやることになります。我が家は共働きなので、娘が大きいとは言え、一人だと家事負担はそれなりに増えます。そういったことを同僚に話すとびっくりされます。夫は「自分は家計に十分に貢献しているから、残された人生においてやり残しが無いようにする」という考えですが、もし二人とも好き勝手に外に出かけて行ったら、家庭は崩壊してしまうでしょう。
「なぜその眼鏡にするのか?」納得するまで説明を求める
インタビュアー:戦記さんとお嬢さんの関係はどのような感じですか?
奥様:基本的には良好だと思います。会話も多いですし、二人でよく旅行にも行っています。私は仕事の関係で休みにくいので、二人で出かけることが多いですね。父親が娘に厳しく言うこともありますが、日常的に会話をしているので、問題はないと思います。ただ、口調がきついと感じることはあります。
インタビュアー:お嬢さんは父親の意見にどう反応していますか?
奥様:娘は割と冷静に父親を分析しているところがあります。母娘で二人きりのときに「パパは今日ああいうことを言ってたけど、私はこう思う」といった会話をすることもあります。基本的に反論がある場合は、直接父親に言うようにしています。私を通して伝えることもありますが、基本的には自分で言います。その上で、二人で議論して落としどころを探るという感じです。
インタビュアー:具体的な例はありますか?
奥様:先日、娘の眼鏡を買い替える話がありました。購入する日の前から下見をし、私と娘で眼鏡屋に行って、フレームを選んだのですが、写真を送ると夫から「なぜこの色のこの形じゃないといけないのか」「前の眼鏡は肌に馴染む色だったのに、なぜ濃い色にしたのか」「プラスチック製だと耐久性はどうなのか」など、様々な質問が。娘が一生懸命説明して、最終的にはOKが出ましたが、このように、特にお金がかかるものについては必要性を説明させるというスタンスですね。確かに、眼鏡というのが999.9(フォーナインズ)のレンズ込みで10万円近くするものなので、夫としては娘に投資する理由を明確にせよ、という気持ちなのかもしれませんが。
インタビュアー:そのようなやり取りについて、奥様はどう感じていますか?
奥様:正直、特殊だなと思います(笑)。

家庭内の教育の価値観
インタビュアー:奥様から見て、戦記さんはどのような父親だと感じていらっしゃいますか?教育熱心な方なのでしょうか?
奥様:熱心といえば熱心なんですけれども、特徴的なのは自分の中に信念みたいなものがあり、決して譲らない点だと思っています。おそらく自分の経験とか、自分の成功体験や失敗体験から「これをすべき」とか「こうした方が効率が良い」とか、先のことを考えた場合「今これをやった方が良い」という固い信念があるのだろうと思います。そして、「都市部の中高一貫校と地方の公立中高の情報格差が拡大していて不健全だから、これを解消するために活動しないといけない」と本気で考えているようです。
そして、私からの反論は聞くけれど、最終的には「俺が決める」という感じですね。
インタビュアー:具体的に、奥様が「これはやめた方がいい」と思われたことや、反対意見を出されたケースはありますか?
奥様:直近で言えば、第二外国語の勉強について意見が分かれました。夫は最近、娘に「今から1日10分とかでいいから第二外国語をやった方がいいんじゃないか」という話をしているようです。大学に入ったら第二外国語を学ぶことになるし、留学する場合にはその成績も加味されるので、今から少しでも毎日投資していれば、あまり負担なく未来への投資になるんじゃないかという話なんです。
それは夫の考えとしては筋が通っていると思うのですが、娘本人がフランスという国や文化にとても興味があって、フランス語を勉強したいという強い思いがあるのであればもちろん反対しませんが、大学で第二外国語を学ぶからとか、大学の留学に必要だからという夫主導の理由で今勉強する必要はないのではと思っています。
親としては、娘には本人が希望の大学に入ってほしいと思っていますので、現在は大学受験が最優先で、フランス語に本人の強い思いがあるわけではないのであれば、その10分であっても英語や受験に直結すること、または部活でやっているバイオリンや学校の活動にその時間を使った方がいいんじゃないかと思っています。
このような意見の相違はありますね。結果的には、4月から公文式のフランス語を開始して、毎日10分投資することになりました。たしかに中3時点で既に英検1級には王手なので、余裕があるかというとあるのだとは思いますが、私としては大学受験や自分が本当に興味のあることに集中してもらいたいと考えています。
インタビュアー:戦記さんのブログで「娘は普通の子供であり、天才秀才の類ではないので、努力で人生を開拓する必要がある」という記述がありましたが、このことについてはどう思われますか?
奥様:確かに書き方は冷たく感じますが、そうかなとも思います。娘はすごく努力型で、コツコツとやる力が親から見てもあると思います。例えば学校の定期テストでも、鉄緑会の校内模試でも、すごく毎日コツコツと勉強します。「今日は気分が乗らないからやらない」ということはなく、しっかり勉強できます。
ただ、いわゆる「天才秀才の類」の人というのは、努力の他に特別な何かを持っていると思うんです。例えばSAPIXの組分けテストで満点近く取れる子や、鉄緑会の校内模試でも「なぜこんなに点が取れるのか」と思うような子たちがいますよね。そういう子たちは天才秀才プラス努力もすごくしているんです。娘をそういう子たちと比べると、努力でカバーしているなという印象です。天才秀才のようなひらめきや特殊な能力ではなく、コツコツと頑張って自分を成長させていくタイプだと思います。
私や夫からすると「天才秀才の類」というのは、数学オリンピックに出場するとか、鉄緑会校内模試の数学や英語で安定的に120点満点で110点以上を取るような子たちを想定しているのかなと思います。
小学生1年生からSAPIXに通うのはアリか?
インタビュアー:ご夫婦で教育方針について合致している点はどのようなところでしょうか?逆に言うと、「ここは共通しているから夫に任せられる」と思われるポイントはどこでしょう?
奥様:中学受験をするかしないかという点では意見が一致していました。夫婦間で意見が分かれる家庭も多いと思いますが、私が「公立でいいんじゃないか」と思ったことは一度もなく、お互い中学受験には賛成でした。
また、大学受験についても共通認識があります。学歴だけが人生ではないと思いますが、娘の目指すところに行ってほしいという気持ちは夫婦共通です。もちろん学校の勉強も一生懸命やるべきだという考えも一致しています。さらに、大学合格のために親が情報収集して娘をサポートするという点でも認識が共通しています。
インタビュアー:小学1年生からSAPIXに通わせる決断についても合意されていたのですか?それは早すぎるという意見もあると思いますが、どのようなお考えでしたか?
奥様:はい、その点も夫婦間で一致していました。夫の理由としては「当時勤務していた三井物産での業務の関係でフランス駐在があるかもしれないから、小学校の半ばぐらいまで海外で過ごす可能性もあるため、早めにSAPIXに入って情報収集しておいた方がいい」というものでした。
私の考えとしては、共働きなので、例えば小3や小4から突然塾に行き始めると、子どもが環境に慣れるまでに時間がかかったり嫌がる可能性があります。そこで親子の争いが起きるのは大変なので、小学校入学という環境が変わるタイミングで、SAPIXに行くという習慣も同時につけてしまえば、より自然に受け入れられると思ったんです。
また、小1、小2の時期のSAPIXは女性の優しい先生で、週1回の楽しい内容です。「楽しく勉強しましょう」という感じで、他の習い事を圧迫するほどの時間や内容ではありません。一つの習い事としての位置づけで、娘が楽しく通えて慣れていけば、いろいろな中学受験の情報も収集できます。
世間では「小1からSAPIXに行っているからガリ勉だ」とか「やりすぎだ」と思われるかもしれませんが、そんなに負担の大きい内容ではないと思います。確かにお金はかかりますが、世間で思われるほどの厳しさではありません。もし娘が嫌がれば、やめることも考えていましたし、SAPIXの雰囲気が合わなければ他の塾に変えることも夫と相談していました。
中学受験後はすぐさま鉄緑会へ
インタビュアー:奥様ご自身は中学受験の経験はないそうですが、なぜお嬢さんには中学受験をさせようと思われたのですか?
奥様:私は公立中学・高校出身ですが、子どもが生まれる前から中学受験をさせたいと思っていました。公立中学に進学した場合、中3で高校受験、高3で大学受験と3年ごとに受験があり、個人的には非常に慌ただしく感じました。それよりも、中高一貫校で6年間じっくり部活や自分の好きなことに取り組める環境の方がいいと思ったんです。また、30年前の地元の公立中学がかなり荒れていたという私の実経験から、ある程度規律や明確な教育方針のある教育環境も魅力に感じていました。
インタビュアー:鉄緑会に通うことについても話し合いがあったようですが?ブログでは一度行かない方向から、行くことになったと書かれていましたが。
奥様:はい、それについても夫婦で話し合いました。大きな意見の相違はなく、基本的に一致していました。
元々、娘が通っている中高一貫校は管理型と聞いていたので、最初は鉄緑会には行かないという方向で夫婦で話していました。でも実際に鉄緑会の入塾説明会に参加した結果、「試験なしで入れるうちに入って、ついていけなかったらやめよう」という考えになりました。
娘も「とりあえず入ってみたい」という意見だったので、家族で一致した決断でした。
今、家族で考える教育と情報発信
インタビュアー:最後に、教育と情報発信について、奥様のお考えをお聞かせください。
奥様:教育については、家庭ごとに価値観が違うので一概には言えませんが、私たち夫婦は基本的な方向性で一致しています。中学受験、大学受験の重要性については共通認識があり、そのために必要な努力や塾選びについても話し合って決めています。
情報発信については、私は基本的に反対の立場ですが、これも価値観の問題です。夫は「情報発信をするからこそ得られる情報もある」と考えていて、私は「有名になるリスク」を心配しています。保守的な仕事をしている私と、アグレッシブな夫とのバランスが、家庭を支えているのかもしれません。
教育に関しては、時に意見が対立することもありますが、最終的には娘の将来を第一に考えて決断しています。娘も自分の意見をしっかり持っていて、家族間のコミュニケーションは良好だと思います。
インタビュアー:貴重なお話をありがとうございました。家族の教育観や日常の様子について、大変参考になりました。
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