■ 広瀬学長「総合大学に変わっていきたい」

中部地区屈指の文系総合大学として知られる愛知大学(名古屋市東区)は2026年5月15日、2030年代前半に理系学部を新設する構想を明らかにした。記者会見に臨んだ広瀬裕樹学長は「総合大学に変わっていきたい」と述べ、1946年の創立以来、法・経済・経営など文系学部体制を貫いてきた同大が、創立80周年を契機に大きく舵を切ることを宣言した。

(出典:https://www.chunichi.co.jp/article/1251786)

 愛知大学は1946年、戦後混乱期の中部地区において唯一の文系総合大学として産声を上げた。卒業生は16万人を超え、行政・法曹・企業・教育・会計・芸術・スポーツなど多分野で人材を輩出してきた歴史を持つ。

 しかし、生成AI・データサイエンス・グリーン技術が産業構造そのものを書き換える時代において、「文系の名門」という看板だけでは中部圏の知的中核を担い続けることは難しくなっている実情がある。広瀬学長の今回の発言は、こうした危機感と同時に、文理融合への明確な意思を示すものといえる。

■大学改革はまだまだ止まらずか?

同大学は、これまでもいくつかの改革を進めていた。

  • 2027年4月設置構想中の「社会情報学部」(仮称) ― データ分析で社会課題を解く高度専門人材を養成
  • 2026年4月から始動した「学修者本位の教育」カリキュラム ― データサイエンス、アントレプレナーシップ分野を強化
  • 豊橋キャンパスの新校舎完成 ― サステナブルキャンパスとしてリニューアル

 などなど。今回の理系の学部新設の布石として、27年度の社会情報学部の新設が挙げられる。文理融合型の社会情報学部の設立を布石としつつ、総合大学としての側面を強くしていくことを検討しているとのこと。

 また、他の中部圏の大学でも同様の傾向は見られ、愛知県立大学も2028年4月開設に向けて「共創学群 社会イノベーション学類」(仮称)など文理を総合する新学群構想を発表している。

 今後の少子高齢化社会の中で、大学の再編は進んでいくのかもしれない。