近年、国際化や英語人材の不足が叫ばれ、日本の国際競争力の低下を嘆く声も多く聞かれます。
そんな中で、高校卒業後の海外大進学も、一昔前と比べ現実的な選択肢として考えられるようになってきました。
本年の海外大合格数TOP3は非常に興味深い結果となりました。
1位、3位に国際化を推進する一貫校がランクインした一方で、2位には通信制高校がランクインしており、目を引く結果となりました。
海外大合格者の多い学校は、一体どんな取り組みをしているのか?
今回の記事では、2025年の海外大合格者数が多いトップ3校について、深掘りしてみました。
3位 三田国際科学学園高等学校 116名
3位は三田国際科学学園高等学校です。
東京都世田谷区用賀二丁目にある中高一貫制の私立学校です。
前身の戸板中学校・戸板女子高校時代は定員割れの状況でしたが、広尾学園の改革の立役者大橋清貫氏が学園長に就任。
以降、10年間ほどで伝統的な女子校から、「世界標準の教育」を掲げる共学校へ転換に成功しています。
改革以降、相互通行型授業を導入するなど、革新的な教育を進めた成果として、生徒たちは国内外の難関大学へ進学するようになります。
特に海外の大学合格実績が顕著で、今年もプリンストン大学を含む116名が海外大学に合格するなど、国際的な進路選択を実現しています。
本校は2025年4月より、三田国際高等学校から、「科学」を足した校名に変更しました。
校名変更の背景には、今後さらに「国際」+「科学」の教育を充実させ、変化の激しい現代社会に対応できる力を生徒に養成する意図があります。
学校は、グローバル教育を進める一方で、現代の教養としての「サイエンス」教育にも注力しており、今後は「インターナショナルサイエンス」「メディカルサイエンステクノロジー」「インターナショナル」の3つのコース制を導入する予定です。
施設面でも、研究活動を支えるための充実した環境整備が進められています。
特に、生徒の研究活動を支援する大学レベルの研究施設「サイエンスラボ棟(仮称)」が2025年8月に増築される予定で、さらに高度な研究環境が提供されることになります。
これらの改革により、三田国際学園は、今後も優れた人材を育成し、国際的な舞台で活躍する人材の輩出を目指します。

2位 N高等学校・S高等学校 201名
2位はN高等学校・S高等学校です。
学校法人角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校で、インターネットと通信制高校の制度を活用した「ネットの高校」として2016年4月に開校しました。
2021年には、2校目となるS高等学校がスタート、N高・S高は、2024年8月30日時点の在籍生徒数が3万人を超えています。
進学実績も、国公立大学の合格者数は189名、そのうち東京大学の合格者数は7名、海外大も201名を輩出し、母数の多さを考慮しても、新たな選択肢として確かな存在感を示しています。
そんな本校は、通学コース、ネットコース、オンライン通学コースの3コースに分かれておりライフスタイルに応じて選択が可能になります。
中には有名一貫校に進学したものの、学内で何らかの問題や、もしくはより自身に合ったスタイルでの学習を求めて転校する生徒もいるのだとか。
また、N高には、N予備校という、オンラインで授業を受講することができる仕組みが存在します。
受験で必要な数学や英語などを始め、プログラミングや、大学で学ぶような量子力学の入門などの講座も受講可能となっています。
また、海外大進学に有利な点としては成績がかなりゆるくつけられている点が挙げられるでしょう。(遅延なく授業を受講し、追試なしで単位認定されるだけで成績5がもらえます)
そのため、推薦入試や海外大への進学に有利に働くという特徴もあります。
部活動や通学の往復などの拘束時間を少なくすることも可能なため、一般的な受験と比べ用意する事項の多い海外大受験には適している環境だということができるかもしれません。

1位 広尾学園高等学校 361名
1位は広尾学園高等学校です。
地下鉄日比谷線広尾駅すぐ、都内の一等地に位置する広尾学園中学校・高等学校。
15年ほど前まで定員割れの状況だったが、グローバル教育やキャリア教育を中心に、中学校から「本科」「医進・サイエンスコース」「インターナショナルコース」に分かれた先進的な教育改革を断行しました。
その結果、人気校に変貌し国内難関大学だけでなく海外進学者が非常に多いのも特徴となりました。
海外大は複数受験、複数合格が定石とはいえ本年の海外大合格者数は361名、現役進学率は132.7%と圧巻の実績となっています。
本校はコース分けが特徴ですが、中でも海外大合格数を下支えするのは、インターナショナルコースです。
本コースは、中学校から選択できるコースで、主要科目のほとんどを外国人教員が英語で行うのが特徴です。
中学校では「アドバンストグループ(AG)」と「スタンダードグループ(SG)」という2つのグループに分かれており、AGはほとんどが国際生(帰国生、外国籍生徒)、SGは主に海外在住経験のない日本の小学校に通っていた生徒で構成されています。
高校からはグループ分けはせず「インターナショナルコース」に一本化されます。
中学校では文科省指定のカリキュラムを実施しますが、高校では3年間の必修カリキュラムを高校1年次に先取りで履修し、高校2年・3年次にはアメリカの大学レベルの授業であるAP(※)のカリキュラムを進めています。このことが海外大への進学実績の基盤になっているといえるでしょう。
APの受講者は年に1回実施される試験で良い成績をおさめることで米国大学の単位に変換可能です。高校生のうちに単位を取得しておけば、留学期間を短縮できるぶん学費節約にも繋がるなど、さまざまなメリットが得られます。
(※)アドバンスト・プレイスメント(AP):アメリカの大学の教養課程と同程度の授業を高校で実施するプログラム
このような学習環境と、様々なメリットがあるカリキュラムが本校の海外大合格数を伸ばしている秘訣のようですね。

いかがでしたか?
将来的な海外大進学を考える家庭の方は参考にしてみてください!
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