2025年10月25・26日、中央大学文学部社会学専攻における2つの入試方式(自己推薦入学試験/専攻適性型)が相次いで実施されました。いずれの方式も「社会を観察し、構造的に理解する力」を重視しており、社会学の根幹であるフィールドワークに関する出題が共通して見られました。未来図編集部では、当日の試験概要と出題傾向、そして各専攻での面接内容をお伝えします。

○試験全体の流れ


 2方式いずれも、講義→小論文→グループディスカッション→面接という流れで実施されました。講義内容は社会調査の基本である「フィールドワーク」を中心に展開され、受験生には単なる知識理解ではなく、観察・考察・理解のプロセスを自分の言葉で表現する力が求められました。グループディスカッションでは、25〜30分の短い時間の中で他者の意見を聞き取り、全体で結論を導く協働的姿勢が評価の対象となりました。

○小論文テーマの傾向


共通して「フィールドワーク」に関する出題がなされました。
社会学的調査の方法を理解した上で、現実社会の課題にどう応用するかを問う内容が中心です。
たとえば、自己推薦入試では「観察・考察・理解」の3要素を踏まえて、自身が気づいた社会問題をどう調査・解決へつなげるかを論じる設問が出されました。
専攻適性型や人文社会学科社会学専攻でも、「フィールドワークを通して何を明らかにしたいか」という形で、社会を現場から読み解く姿勢を問う内容が共通しています。

○関連する社会問題


出題テーマや面接内容から、以下のような社会的課題が焦点となっていました。

・外国人労働者と技能実習制度
・教育格差と多文化共生
・地域文化の衰退と都市集中化
・社会的排除と共生のあり方

いずれも「現場に足を運び、当事者の声を聞く」ことによってのみ実態を理解できるテーマであり、中央大学社会学専攻が重視する「現場主義」「実証性」「構造的思考」が強く反映された内容となっていました。

○理想的な回答の方向性


① テーマ理解
社会学的フィールドワークは、人びとの語りや生活から社会構造を読み解く手法であり、単なる観察ではなく「なぜその行動や関係が生まれるのか」を考察する点に価値がある。

② 論の展開例
・現代社会の課題(外国人労働者・教育格差・地域衰退など)を具体的に示す。
・観察を通して気づいた「構造的背景」(経済格差、文化の偏り、制度上の問題)を分析する。
・社会の変化を現場から理解し、解決に向けた主体的な行動を提案する。

③ 構成例(800字)
序論:社会学の目的は、日常に潜む社会構造を理解し、より良い社会を築くことである。
本論:技能実習制度や教育格差、地域文化の衰退などの現象を現場で観察することで、数字では見えない人間関係や価値観の変化を把握できる。社会学的視点でその背景を分析することは、課題解決の第一歩である。
結論:フィールドワークを通して社会の実態を知り、制度や文化をより良い形へ再構築していく姿勢こそ、社会学を学ぶ意義である。

○面接内容(方式別まとめ)

【自己推薦入学試験】
・形式:個別(2名)/10〜20分
・質問内容:
 中央大学を志望した理由/なぜ社会学専攻か/他学部では学べない理由/技能実習制度への関心ときっかけ/外国人労働者との関わり経験 など

▶︎ポイント:「なぜ社会学でなければならないのか」を自分の言葉で具体的に説明できるかが重要。社会問題に対する自分の立場を明確にし、フィールドワークをどのように活かすかを語れると良いかもしれないです。

【専攻適性型】
・形式:個別(2名)/5分程度
・質問内容:
 他大学との違い/外国人として教育支援に取り組む意義/社会学専攻で学ぶ切り口/好きな社会学者と著書および感想 など

▶︎ポイント:短時間の中で自己理解と学問的関心を結びつけて語る力が求められる。特に「社会学者の理論をどう自分のテーマに応用するか」を説明できると、学問理解度の高さを示せる。